クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「私は五番だったよ。……宇佐美くんは?」
「……」
聞いてみれば、宇佐美くんは難しい顔をして黙り込んでしまった。
どうしたんだろうと不思議に思っていれば、宇佐美くんは持っていた紙をぐしゃりと握りつぶす。
「……今、五番になってくる」
「……ん? えっと……それってどういうことかな?」
よく分からないけど、宇佐美くんは私とはペアじゃないってことだよね?
宇佐美くんの手元をそっと覗かせてもらえば、そこには“6”と記されている。
「宇佐美くんは六番なんだね」
そう言えば、近くでペアを探していたつっこちゃんがこちらに振り向いた。
「え、待って。もしかして私のペアって宇佐美? ……はぁ、マジ? 最悪じゃんか」
「……それはこっちのセリフ」
どうやら宇佐美くんとつっこちゃんがペアだったみたいだ。つっこちゃんが持っていた紙にも“6”と太字で書かれている。
それじゃあ、私のペアって……一体誰なんだろう?
周りを見れば、皆続々とペアを見つけている。まさか私だけペアがいなくて、一人ぼっちだなんてことはないよね……?