クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
第七話 はじめてのおそろい
「いや~、ほんっとに白熱した試合だったね!」
つっこちゃんがモップがけをしながら、興奮冷めやらぬといった様子で言う。
その言葉に、夏美ちゃんはコクコクと頷く。
「ほんとに! それに、二人に取り合われてる小夜ちゃん、少女漫画のヒロインみたいだったよね」
夏美ちゃんは目をキラキラ輝かせながら、「私としては、幼馴染のよしみで遥翔を応援してあげたいところだけど、大賀美くんもイケメンで優しそうだったし、ふんわりした小夜ちゃんともお似合いだと思うんだよね。えー、迷うなぁ……!」と、何やらぶつぶつ呟き始めてしまった。
「取り合われるって……あれは、そういうのじゃないと思うんだけど……」
私はニ十分ほど前に終わったばかりの、練習試合のことを思い出す。