クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
――まあ、そんなドタバタな出来事がありながらも、二泊三日の合宿は無事に終わりを迎えることになったのだ。
今は体育館の後片付けをしながら、つっこちゃんと夏美ちゃんと一緒に、おしゃべりに花を咲かせていたところ。
「まぁとりあえず、やーっと終わったねぇ」
「うん。二人とも、改めて、今回は本当にありがとね」
「ううん、学校にお泊りだなんて普段中々体験できないし、楽しかったよ」
「ふふ、確かにそうだね」
夏美ちゃんが口許に手を添えてクスクスと笑えば、近くを通りかかった部員の男の子が夏美ちゃんの笑顔に見惚れているのが分かった。
夏美ちゃん、かわいいもんね。少女漫画のヒロインは、むしろ夏美ちゃんの方がぴったりだと思うなぁ。