クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「それ、俺も行ってもいい?」
しょんぼりモードから復活したらしい宇佐美くんが、何故か私をジーッと見つめて尋ねてくる。
……えっ、これって私に聞いてるのかな?
「え、っと、私は別に……つっこちゃんと夏美ちゃんがいいなら……」
二人に助け舟を求めれば、つっこちゃんはあからさまに顔を顰めて、夏美ちゃんは困ったような顔で笑う。
「えぇ、宇佐美も一緒にくんの? 女子会に男子一人で?」
「まぁ遥翔はそういうの気にしないだろうし、私も二人がいいならいいけど」
そこに、宇佐美くんを呼びにきたのだろう蓮見くんが姿を現した。
「遥翔、部長が今度の練習試合のことで話があるってさ」
「……それじゃあ、凪沙も一緒に行く。それならいいだろ」
「……え? 行くって何のこと?」
「それじゃ、そういうことで」
宇佐美くんは困惑している蓮見くんを残して、一人で部長のもとに行ってしまった。