クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「これ、夏目さんにあげる」
「……え? 私にくれるの?」
運良く二つまとめて獲れた、黒いにゃー助くんと、そのガールフレンドである白いにゃー美ちゃんのストラップ。
それを宇佐美くんは、私にくれると言う。
――もしかして宇佐美くん、私のために獲ってくれたのかな?
自惚れかもしれないけど、そんな考えがパッと頭に浮かんだ。
「ありがとう。それじゃあ……これだけ貰ってもいいかな?」
私は、にゃー助くんのストラップを手に取った。
「宇佐美くんが獲ったんだし、よければ一つは宇佐美くんが持ってて? ……あ、でも宇佐美くん、こういうのはあんまり好きじゃないかな?」
「……ううん、好きだよ。ありがとう」
宇佐美くんは、にゃー美ちゃんのストラップをそっとポケットに仕舞った。
でも、獲ったのは宇佐美くんなのに……どうしてお礼を言うんだろう?