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「ねえ。どのゲームにする?」
奈央はクローゼットの扉を開き、その奥からブルーのボックスを取り出した。
蓋を開くとなるほど、沢山のゲームソフトが整然と納められている。
そのソフトをじっとみつめ選んでいる奈央の肩を渚はポンと叩いた。
「ねえ、奈央君。ゲームする前にやっぱり宿題を終わらせちゃわない?」
渚の言葉に奈央はがっかりした様子で肩を落とした。
「渚も湊と同じこと言うんだね・・・」
「だって悔しいんだもん。あの男・・・叔父さんにあとで怒られる奈央君を私は想像したくないよ。だったらやるべきことを終わらせて、それからゆっくり遊ばない?その方が楽しめると思うの。」
「・・・・・・。」
「奈央君は好きなものを先に食べる?最後にとっておく?」
「・・・最後に食べる。」
「うん。楽しみはとっておく方がいいもんね。」
「うん。」
「あのね。私、こう見えても勉強を教えるの上手いの。私、大学生のとき家庭教師のバイトしてたんだから。」
「・・・そうなの?」
「そうよ。自慢じゃないけど私の教え子、みんな成績が上がったんだから。で、今日はなんの宿題が出ているの?」
「算数・・・」
「そっか。じゃあちゃちゃっと終わらせちゃおう!」
「うん!」