処刑人りー&のえる
砂漠のど真ん中にそびえ立つ巨大なカジノ都市、ツイキャスシティから100キロ離れたサウザンドナイン刑務所に私とのえるちゃんは収容されていた。
私の名前はりー。のえるちゃんは私の恋人だ。
私達はツイキャスシティで運命的な出会いをはたし、二人して償いきれないほどの悪事を働いた結果、ついにはこの刑務所に収容された。
私達の仕事は死刑囚の処刑をすることだった。
今日も一人片付けた。
のえるちゃんはバディ(死体)を黒いゴミ袋につめ、
刑務所の裏手の断崖絶壁からそれを捨てようとした。
「そんなところに捨てて大丈夫なの?」
と私は聞いた。
いつもなら私がバディを埋めて形ばかりの供養をしてあげるのだがのえるちゃんは面倒になってしまったみたいだ。
「平気でしょ」
のえるちゃんは一分の無駄も許さない動きでゴミ袋を放った。
冷酷な態度に怯えた私は足をふみはずし、崖から落ちてしまった。
「りー!」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
普通の人間であれば間違いなく死んでいるはずだが、身体能力を極限まで鍛えている私は必死に崖につかまりながら下まで降り、何とか無事に着地するという奇跡を果たした。
下に降りるとのえるちゃんが投げ捨てたバディが袋から散乱してバラバラになっているのが見えた。
そこに沢山の害虫が群がって、虫が苦手な私を更なる恐怖に慄かせた。
「りーさん大丈夫?」
上からのえるちゃんがロープを垂らしてくれた。
私はそれを伝って崖を上った。
上まで登るとのえるちゃんが私を引き上げるために片手を差し出した。
恐ろしい恐ろしいのえるちゃん。
じゃなかった、可愛い可愛いのえるちゃん。
沢山のトラウマを与えてくれるのえるちゃん。
じゃなかった、沢山の笑いを与えてくれるのえるちゃん。
もしかしてさっきは、私が逃げるために神が与えてくれたチャンスだったのだろうか?
私の心を絶望と希望とが半分ずつ支配した。
私はのえるちゃんに向かって手を伸ばした。
終
私の名前はりー。のえるちゃんは私の恋人だ。
私達はツイキャスシティで運命的な出会いをはたし、二人して償いきれないほどの悪事を働いた結果、ついにはこの刑務所に収容された。
私達の仕事は死刑囚の処刑をすることだった。
今日も一人片付けた。
のえるちゃんはバディ(死体)を黒いゴミ袋につめ、
刑務所の裏手の断崖絶壁からそれを捨てようとした。
「そんなところに捨てて大丈夫なの?」
と私は聞いた。
いつもなら私がバディを埋めて形ばかりの供養をしてあげるのだがのえるちゃんは面倒になってしまったみたいだ。
「平気でしょ」
のえるちゃんは一分の無駄も許さない動きでゴミ袋を放った。
冷酷な態度に怯えた私は足をふみはずし、崖から落ちてしまった。
「りー!」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
普通の人間であれば間違いなく死んでいるはずだが、身体能力を極限まで鍛えている私は必死に崖につかまりながら下まで降り、何とか無事に着地するという奇跡を果たした。
下に降りるとのえるちゃんが投げ捨てたバディが袋から散乱してバラバラになっているのが見えた。
そこに沢山の害虫が群がって、虫が苦手な私を更なる恐怖に慄かせた。
「りーさん大丈夫?」
上からのえるちゃんがロープを垂らしてくれた。
私はそれを伝って崖を上った。
上まで登るとのえるちゃんが私を引き上げるために片手を差し出した。
恐ろしい恐ろしいのえるちゃん。
じゃなかった、可愛い可愛いのえるちゃん。
沢山のトラウマを与えてくれるのえるちゃん。
じゃなかった、沢山の笑いを与えてくれるのえるちゃん。
もしかしてさっきは、私が逃げるために神が与えてくれたチャンスだったのだろうか?
私の心を絶望と希望とが半分ずつ支配した。
私はのえるちゃんに向かって手を伸ばした。
終