君しか考えられないーエリート御曹司は傷物の令嬢にあふれる愛を隠さないー
「晴臣から、亜子ちゃんの傷の話を聞いたんだけど」
どこまで踏み込んでいいのか、弥生さんは探るように切りだした。
ケガを負った経緯を話せる範囲で教えてほしいと言う彼女に、緊張しながら打ち明ける。
話している途中でやってきた黒猫が、なんの躊躇もなく晴臣さんの膝に飛び乗った。もしかして、ネロの親か兄弟かもしれない。
彼に背をなでられてすっかりリラックスしている黒猫のおかげで、私の緊張もだんだん解れていった。
「そう。大変だったわね。ちょっといいかしら」
そう言って立ち上がった弥生さんは、私に近づいて眼鏡をはずすようにお願いした。
わずかに迷ったけれど、意を決してフレームに手をかける。
「まあ」
顔を近づけながら声をあげた弥生さんに、思わずビクッと肩が跳ねた。
「肌がすっごく綺麗だわ」
彼女の発したのが非難の言葉ではないほっとしながら、助けを求めるように晴臣さんに視線を向ける。
「姉さん、はしゃぎ過ぎだ。亜子が困ってる」
「綺麗すぎる亜子ちゃんが悪いの。それに、眼鏡をはずした素顔がかわいい! 隠すなんてもったいないわよ」
ひたすら私を褒める彼女に、晴臣さんまで「まあ、そうだが」なんて同意するからいたたまれない。
それから落ち着きを取り戻した弥生さんは、できたら傷跡を見せてほしいと遠慮がちに言った。
どこまで踏み込んでいいのか、弥生さんは探るように切りだした。
ケガを負った経緯を話せる範囲で教えてほしいと言う彼女に、緊張しながら打ち明ける。
話している途中でやってきた黒猫が、なんの躊躇もなく晴臣さんの膝に飛び乗った。もしかして、ネロの親か兄弟かもしれない。
彼に背をなでられてすっかりリラックスしている黒猫のおかげで、私の緊張もだんだん解れていった。
「そう。大変だったわね。ちょっといいかしら」
そう言って立ち上がった弥生さんは、私に近づいて眼鏡をはずすようにお願いした。
わずかに迷ったけれど、意を決してフレームに手をかける。
「まあ」
顔を近づけながら声をあげた弥生さんに、思わずビクッと肩が跳ねた。
「肌がすっごく綺麗だわ」
彼女の発したのが非難の言葉ではないほっとしながら、助けを求めるように晴臣さんに視線を向ける。
「姉さん、はしゃぎ過ぎだ。亜子が困ってる」
「綺麗すぎる亜子ちゃんが悪いの。それに、眼鏡をはずした素顔がかわいい! 隠すなんてもったいないわよ」
ひたすら私を褒める彼女に、晴臣さんまで「まあ、そうだが」なんて同意するからいたたまれない。
それから落ち着きを取り戻した弥生さんは、できたら傷跡を見せてほしいと遠慮がちに言った。