溺愛トライアングル!
「応援団名簿?」
「桜楽、しっ!」
思わず声に出して読み上げてしまった私に、小声で流空が注意をする。
「ごめんっ。」
もう一度、私は名簿を見る。
「ほら、団長欄。見て。」
流空が指さした場所には、三つの団の団長が書かれていた。
そういえば緑陽中学校の応援団は実力主義だから、1年生でも応援団長に立候補はできるんだっけ。
でもほとんどの場合、3年生が団長をやっていたはず。
そのプリントには、予想外の人の名前が印刷されていた。
『赤団団長:佐々木流空』
「流空…!?」
流空も応援団だったんだ…!
っていうか、先輩たちを抑えて団長…!?
「すごい…!頑張ってね!」
そう言うけど、流空は少し表情をかげらせる。
あれ?なんでだろう…?