溺愛トライアングル!
 「あ、朝浜さん!おはっす〜」

「おはよぉ〜」




私が通っていた浅葱東小学校から繰り上がりで進学した子がほとんどのこの学校。


だから、クラスメイトのほとんどは顔見知り。



小学校では委員長とか、積極的にやっておいてよかった…。


中学校も、たくさん友達が作れるといいなっ。



 時間が経って、少しづつクラスメイトがやってきて、自分の席を探していく。


私はお気に入りの本を何冊か持ってきているから、それを読んで朝礼が始まるのを待っているけど…

本から顔を上げて、入口、そしてとある人の席を確認してしまう。



…まだ来てないみたいだな…。



早く会いたい。いつもいつも、そう思っている人がいる。

だから、毎日のように朝早く学校に来ては、彼の姿を探してしまうんだ。



 「おはよぉございまーす」



入口に顔を向けていなかったけど、それでもわかる。

あの特徴的なハスキーボイス。


来た。



私は本に顔を戻して、特に何も思っていないふりをする。

別にあからさまに嬉しそうでもいいんだけど、冷やかされるのはあんまり好きじゃないし…。

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