溺愛トライアングル!
それにきっと、バレるのは恥ずかしいっていう、思春期の女の子のような感情もあると思う。



 「おはよぉ、桜楽」



中学生にしては低いイケボ。

クラスでもなかなかの高身長。

制服の下のワイシャツの第一ボタンを外していて、多分クラスの中でも早めにポロシャツに変わるタイプ。



碓氷祐月(うすいゆづき)。彼は私と出身小学校、クラスがずっと一緒の幼馴染。


女の子に嫌われがちで彼自身も女の子が苦手なんだけど、私とはよく話してくれる。


実は…二年くらい前から、私は祐月のことが好きなんだ。

これまで恋をしたことがないから、告白とかは、よくわからなくて…。

だから、この気持ちは、そっと胸の中にしまってある。



「寝不足…」




そう言ってもたれかかってくる祐月。

肘を私の肩に乗せて、体重をかけてきているからまあまあ重い。

こんなのは日常茶飯事で、祐月はことあるごとに私にくっついてくる。
機嫌がいい時はバックハグしてくることも稀じゃない。

女の子は苦手なはずなんだけど、なんでだろう?と、私はその度に思う。

まあ、嬉しいから問題無いけどね。




「今日の授業ってなに〜?」

「昨日の先生の話聞いてた?自己紹介とかだよ」

「宿題は〜?」

「な〜い。先生の話聞いときなさい!」

「は〜い」





ふふっ。寝てたのかな…?

祐月は、こういうところが可愛らしい。

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