溺愛トライアングル!
* * *



私も教室に戻ると、いつのまにか数人のクラスメイトが現れていた。



「おはよう、桜楽ちゃん!」

「おはよう!」



やっぱ、こういうあいさつは貰えると嬉しいな…。

内心喜んでいたときだった。



「さ〜く〜ら」



肩に突然重みを感じた。

私の名前を呼ぶ声で、その正体がなにかはすぐにわかった。

他に居ないもんね、そんなハスキーボイスくん。



「おはよう、祐月」

「おはよ。宿題やってくんの忘れた」

「こら。ちゃんとやってきなさい!」

「はぁ〜い」



祐月は結構忘れん坊なんだよね…。宿題忘れと遅刻の常習犯。

だけど、そんなところも可愛い。



「今日早起きできた。褒めて」



あれ?

今日はちょっと甘えん坊さんモードなのかな?




「よしよし。祐月は可愛いね!」



そう笑いかけると、祐月は寝ぼけているのか、後ろから手を回してバックハグ状態になってしまった。


まったく、小悪魔なのは流空だけじゃなかったか…。

他の女の子は嫌がりそうだけど、私は祐月が好きだから純粋に嬉しい。


こうやってくっついてくれるっていうのは、懐いてくれてるってことだからね。

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