溺愛トライアングル!
「それじゃあ、ペアを組め。身長順で並んで、前後でペアな」
体育教師がさっくりとペアを決めていく。
男女で計測する距離が違うから、男子と女子でペアを組む。
私のペア、誰だろう…?
後ろの男子列を振り返り、ペアを確認する。
と、見慣れた切れ長の瞳と目があった。
あ、ペア、祐月だ…!
嬉しいな…。
祐月、小学生の頃も学年で1,2を争う実力者だったし…運動系の習い事をいくつもやっている。
成長が楽しみだな…。
当の本人は、
「あ、桜楽と一緒?」
と、にこにこしながら嬉しそうにしている。
私も嬉しいな。祐月と一緒なんて!
祐月は周りの目もはばからず、ぎゅうっと私に抱きついてくる。
「…最初の方はからかってたけど、もうその気力もねぇわ…」
六年生の頃から同じクラスの男の子が、呆れた目で私達を見る。
まぁ、初めての頃にはからかわれることも多かったけど…今はもう、「お前らのイチャつき見てるだけで目が回る」なんて言われちゃう。
だけど、仲がいいのはいいことだよね!