溺愛トライアングル!
だけどそれにふさわしい、というかそれを超えるような厳しさもあるんだ。
朝練、昼練、夜練と空いている時間を余すことなく使われて、演舞を習わされる。
応援団は人望がなければいけないから、他薦でしかなることができないし。
その上、体が限界になっても休むことを許されない。
まさにスパルタ教育って感じの教育を受けさせられるらしい。
「応援団は各クラス四名ずつです。応援団にふさわしいと思える人を推薦してください」
私はそっと祐月を見る。
推薦したら、祐月、嫌がるかな…。
でも袴姿の祐月、見てみたいし。
祐月は声が大きくて身長が高いから映えると思うんだよな…。
葛藤していると、考える時間はあっさりと過ぎてしまった。
「それでは、誰を推薦するか決まった人はいますか?」
その言葉を待っていたかのように、何人かが手を挙げる。
そしてお互いを推薦し合うように名前を挙げ始めた。
多分、友達と一緒に応援団をやりたいがために、先に約束をしていたんだ。
あっという間に三人が決定して、残り一人。
「残り一人、推薦する人はいませんか?」
体育委員が呼びかけると、窓際の女の子が手を挙げた。
祐月の前の席の子と、後ろの席の子。