溺愛トライアングル!
* * *
一時間目が終わり、休み時間になると、早速周囲の女の子たちが話しかけてきてくれた。
「ねぇねぇ、朝浜さん!」
わっ…自分から話しかける勇気はなかったけど、嬉しい…!
「今日の朝見たんだけどさ、近所の公園で転んだ小学生助けてたよね⁉」
彼女の言葉に、背中に悪寒が走る。
驚いて、私は目を見張った。
「え、嘘、見られてたの⁉」
今日の朝、登校中に走っていた小学生が転んで泣いていたのだ。
痛そうで、見ていられなくて近所の水道で傷を洗って、お家の人に送り届けてきたけど…
公園とかに寄り道しちゃダメな決まりだからバレないように気をつけてたのに…。
まさか…見られてたなんて。
うぅ…。仕方ない、お叱りは覚悟しなきゃ…。
「すごいねー!」
「見ず知らずの子供にあそこまで優しくできるって、さすが朝浜さん!」
「え、え?」
な、なんだか褒められている…?
「あ、ありがとう…?」
「なんで疑問形?」
「マジのいい子じゃん。こりゃモテるわ」