ワンナイトラブ
私の彼氏、一夜(いちや)はサッカー部の部長なだけあって部員の中で飛び抜けてうまく才能がある。


自分の彼氏だからそう見えるとかじゃなくて、実際に人に教えるのも部の指揮をあげるのもうまかった一夜が入ってから、うちの弱小だったサッカー部は都でベスト三位に入るくらいの一目置かれる学校へと変わったのだ。



サッカーがうまいだけじゃなく、明るくみんなの中心にいるような陽気キャタイプで、顔もかっこいい。


そんな一夜はたった二年で全校生徒に知れ渡るくらい、名の知れた人気者へとなった。



私と一夜が出会ったのは、一夜がだんだんと有名になる少し前の高一の春だった。


たまたまグラウンドを横切って帰っていた時にシュートを決めた一夜を見た瞬間、まるで体に電気が走ったかのような感覚で思わずその場から動けなくなった。


いわゆる一目惚れだった。



それから私はクラスが違かった一夜を見るため、毎日わざわざ遠回りなグラウンドを通って帰っていた。


一夜と違ってなんの取り柄もなかった私に、自分から話しかける勇気なんてなくていつも遠くから見ているだけで精一杯だったのだ。



そんなある日のことだった。
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