ワンナイトラブ
それもまさか見知った顔だったなんて。


世界は思っているよりも狭くて面白い。



「そうですね。俺は今日、両親と夕食を食べる約束をしていて、待ち合わせ場所に行ったらなぜか知らない女の人とその両親もいて。つまりお見合いですね。俺だけ何も知らないで騙されて連れてこられて、24年間彼女のいない俺がきっと心配だったんだろうけど、ムカついて逃げてきたんです」


「え、24年間彼女ができたことないんですか?」



食いつくように即ツッコミを入れてしまい、なんだか気まずくて咳払いをして誤魔化す。



「はい。恋愛とかそういうものには疎くて、したいとも思ったことなくて。でも両親には心配されてお見合いまでさせられそうになって、そろそろ考え方変えなきゃダメなのかと色々考えていたところで華夜さんと会ったんです。ぐちゃぐちゃだった頭が華夜さんの無邪気な笑顔を見たらすっきりして、恋をするならこの人がいいって、一目惚れしたんです」


「一目惚れ…」



今まで誰かに告白なんてされたこともないし、まさかの先生から真っ直ぐな気持ちを伝えられてなんだかくすぐったい。


だけどそれと同時に罪悪感も出てきた。
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