― ずっと好きだった人 ―
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◇様子見2

 

「貴理子、今日は改めて話を聞いてほしくて訪ねてきた」
 
「えっ……ナニ」

「彼女とは結婚してない」



「えっ、だってあなた……そのために私と離婚したんじゃないの」



「一年以上かけて彼女と間合いを取りいざ告白しようと思った矢先、
彼女からの話で分かったんだよ。

 彼女には将来を誓い合っていて付き合っている男がいるってことが。


 子供が大きくなるまでは互いの家を行ったり来たりするような付き合いだが、 
結婚を見据えた真剣な交際だと聞かされた。


 多分離婚した俺の気持ちが彼女に一心に向けられていることを
感じたんじゃないだろうかと思う。


 それで告白される前に牽制してきたんだろう、おそらく。

 仕事で一緒になることも多いし今後のことを考えてのことだろう。
 俺の大失恋……」


「そうなんだー。
 なんか離婚して損しちゃったなー。あはは」


「ほんとにそう思うか?」


「うんそうだよ。
 だけどもう離婚しちゃったし、しようがないよねー。
 あなたなら望めばまだまだいい女性見つかるわよ、頑張って」



「その、貴理子はどうなのかな、と思って。
 そのことで今日は訪ねてきた」



「ン? 『貴理子はどうなのかな』ってどういうこと?」



「いや、だから俺はもう結婚したい相手もいないしさ、よかったら
俺と元サヤっていうか、もう一度結婚しないか」



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