極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
第一章 Bar. Aqua Blue
「ここか…」
Bar. Aqua Blueと書かれたダークなガラス扉の前で、吾郎はゴクリと喉を鳴らす。
(ここが俺達の恋の聖地。俺も今夜、ここで誰かと出逢えるのかも?)
真顔でじっと考えてから、思い切って扉を開けた。
(おおっ!なんてスタイリッシュでオシャレな空間なんだ。まさに運命の出逢いの場にふさわしい)
照明を絞った店内の中央には、大きな水槽。
そして正面の窓ガラスの向こうには、綺麗な東京の夜景が広がっている。
ピアノの音が控えめに聞こえてきて、吾郎は思わず壁際のピアノに目を向けた。
ブラックのロングドレスをまとい、緩やかなウェーブの長い髪のピアニストが、伏し目がちにグランドピアノを弾いている。
透き通るような肌の色と明るい栗色の髪、そしてくっきりとした目鼻立ちで、見るからに外国人の血を引いているであろう美女だった。
見惚れていると、マスターに声をかけられる。
「いらっしゃいませ。どうぞお好きな席へ」
「あ、はい」
吾郎は店内をざっと見渡した。
大きな水槽を囲むカウンター席や、その周りのテーブル席は埋まっている。
窓際の二人がけのソファはいくつか空席があったが、どう見てもカップルの為の席だろうと思い、吾郎はマスターの前のカウンターチェアに腰を落ち着けた。
ウイスキーを水割りでオーダーし、吾郎は背を向けたままピアノの音色に耳を傾ける。
雰囲気たっぷりに弾きこなされるジャズナンバー。
(はあ、大人の世界だなあ。こんな雰囲気のいいバーなら、そりゃ恋の1つや2つ、いや3つか、芽生えたっておかしくない)
泉と出逢った洋平。
恋が動くきっかけとなった瞳子と大河。
思いがけない再会を果たした透と亜由美。
全ての舞台がこのバーだったとあらば、否が応でも吾郎の期待は高まる。
(今夜このバーで巡り逢えた人が、きっと俺の運命の人…)
数日前、透と亜由美の結婚式で幸せそうな二人を見たばかり。
心底羨ましくなり、吾郎は本気で恋を探そうとしていた。
Bar. Aqua Blueと書かれたダークなガラス扉の前で、吾郎はゴクリと喉を鳴らす。
(ここが俺達の恋の聖地。俺も今夜、ここで誰かと出逢えるのかも?)
真顔でじっと考えてから、思い切って扉を開けた。
(おおっ!なんてスタイリッシュでオシャレな空間なんだ。まさに運命の出逢いの場にふさわしい)
照明を絞った店内の中央には、大きな水槽。
そして正面の窓ガラスの向こうには、綺麗な東京の夜景が広がっている。
ピアノの音が控えめに聞こえてきて、吾郎は思わず壁際のピアノに目を向けた。
ブラックのロングドレスをまとい、緩やかなウェーブの長い髪のピアニストが、伏し目がちにグランドピアノを弾いている。
透き通るような肌の色と明るい栗色の髪、そしてくっきりとした目鼻立ちで、見るからに外国人の血を引いているであろう美女だった。
見惚れていると、マスターに声をかけられる。
「いらっしゃいませ。どうぞお好きな席へ」
「あ、はい」
吾郎は店内をざっと見渡した。
大きな水槽を囲むカウンター席や、その周りのテーブル席は埋まっている。
窓際の二人がけのソファはいくつか空席があったが、どう見てもカップルの為の席だろうと思い、吾郎はマスターの前のカウンターチェアに腰を落ち着けた。
ウイスキーを水割りでオーダーし、吾郎は背を向けたままピアノの音色に耳を傾ける。
雰囲気たっぷりに弾きこなされるジャズナンバー。
(はあ、大人の世界だなあ。こんな雰囲気のいいバーなら、そりゃ恋の1つや2つ、いや3つか、芽生えたっておかしくない)
泉と出逢った洋平。
恋が動くきっかけとなった瞳子と大河。
思いがけない再会を果たした透と亜由美。
全ての舞台がこのバーだったとあらば、否が応でも吾郎の期待は高まる。
(今夜このバーで巡り逢えた人が、きっと俺の運命の人…)
数日前、透と亜由美の結婚式で幸せそうな二人を見たばかり。
心底羨ましくなり、吾郎は本気で恋を探そうとしていた。
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