極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「え?病院に、ですか?」

翌朝。
これから病院に行こうと言うと、瞳子は困惑したように大河に聞き返す。

「でも私、特に具合は悪くないですけど…」
「毎日微熱が続いてるのに?そんなこと、今までなかっただろ?」
「そうですけど…。身体は元気ですよ?」
「それならそれでいいよ。病院で何も異常がないと言われれば、俺も安心するから。な?頼むから、一度診てもらって」

大河に説得されて、瞳子は渋々頷いた。

診察開始時間に合わせて、大河は瞳子を病院に連れて行く。

受付で症状を伝えて、内科を受診した。

「えーっと、冴島 瞳子さんね。微熱が続いているということで、いくつか検査を受けてもらいました。結果から申し上げますと、妊娠しています」
「えっ?!」

きっぱりと言い切る女性医師の言葉に、瞳子は驚きのあまり、丸椅子から落っこちそうになる。

「あら!大丈夫?気をつけてね」
「は、はい。あの、本当でしょうか?だって私、予定通り生理が来ましたし…」
「んー、詳しくは産婦人科を受診しなければ分からないけど、恐らくそれは着床出血だと思うわ」
「着床出血、ですか?」
「そう。受精卵が着床する時に、子宮内膜の血管を傷つけてしまう為に起こる少量の出血のことなの。その時の出血量はいつも通りだった?」
「いえ、そう言えば少なかったです。でもそれは海外旅行に行ったあとだから、ホルモンバランスが崩れたせいかと…」
「なるほど。とにかく妊娠はほぼ確定だから、これから産婦人科に行ってくれる?正常妊娠かどうか、きちんと調べてもらいましょう」
「は、はい」

瞳子が、ありがとうございましたと言って診察室を出ると、すぐさま大河が近づいて来た。
< 107 / 141 >

この作品をシェア

pagetop