極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
第二十四章 夏のミュージアム
7月に入り、アートプラネッツは夏のミュージアムの準備に忙しい日が続く。

吾郎は毎日オフィスで制作に追われながらも、少しでも早く帰宅し、トオルと過ごす時間を大切にしていた。

どんなに疲れていても、トオルを抱き上げれば一気に疲れも吹き飛ぶ。

嬉しそうにじゃれてくるトオルに笑顔になる一方で、ふと安藤のことを思い出してはため息をつく。

(どうしているんだろう、今頃)

トオルに会いたがっているだろうか?
仕事は順調なのだろうか?

いや、案外トオルのこともケロッと忘れているのかも?
もしかしたら、原口に告白されてつき合い始めたかもしれない。

吾郎の頭の中は、様々な想像で膨らむ。

だが、どうすることも出来ずに毎日をやり過ごしていた。
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