極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「こんばんは。お待たせ」
翌日。
ミュージアムが閉館して片付けも終わった夜の8時半。
安藤はミュージアムのエントランスで吾郎と待ち合わせた。
「都筑さん、こんばんは。今日はよろしくお願いします」
「ああ。どうぞ、入って」
「はい」
誰もいなくなった館内を、安藤は吾郎について歩いていく。
「今は真っ暗だけど、すぐ明るくなるから。ここで少し待っててくれる?」
「はい、分かりました」
大ホールに着くと、吾郎は安藤を部屋の真ん中に促してから、ドアの向こうに消えた。
シン…と静まり返った暗いホールにポツンと佇み、安藤が少し心細くなった時、サーッと光が差し込むように、ホールが群青色に染まり始めた。
「わあ、綺麗…」
思わずうっとりと天井を見上げる。
やがて無数の星がまたたき、スッと流れ星が降り注いだ。
夏の星座と流星群。
美しく広がる満天の星に、言葉もなく魅入っていた時だった。
「アン!」
可愛い鳴き声がして、安藤は思わず振り返る。
「え、トオルちゃん?!」
「アン!」
間違いない。
一目散に駆け寄ってくるのは、会いたくて堪らなかった可愛いトオルだった。
「トオルちゃん!」
「アンアン!」
飛びついてきたトオルを、安藤はひざまずいてギュッと胸に抱きしめる。
「トオルちゃん、やっと会えた!」
頬ずりして頭をなでると、トオルもぺろぺろと安藤の頬を舐めた。
「トオルちゃん、見て。綺麗な星空ね」
「アン!」
「ふふっ。いつまでもここにいたくなっちゃうね」
胸にしっかりとトオルを抱き、目を輝かせて星空を眺めている安藤を、吾郎は少し離れた所から優しく見つめていた。
翌日。
ミュージアムが閉館して片付けも終わった夜の8時半。
安藤はミュージアムのエントランスで吾郎と待ち合わせた。
「都筑さん、こんばんは。今日はよろしくお願いします」
「ああ。どうぞ、入って」
「はい」
誰もいなくなった館内を、安藤は吾郎について歩いていく。
「今は真っ暗だけど、すぐ明るくなるから。ここで少し待っててくれる?」
「はい、分かりました」
大ホールに着くと、吾郎は安藤を部屋の真ん中に促してから、ドアの向こうに消えた。
シン…と静まり返った暗いホールにポツンと佇み、安藤が少し心細くなった時、サーッと光が差し込むように、ホールが群青色に染まり始めた。
「わあ、綺麗…」
思わずうっとりと天井を見上げる。
やがて無数の星がまたたき、スッと流れ星が降り注いだ。
夏の星座と流星群。
美しく広がる満天の星に、言葉もなく魅入っていた時だった。
「アン!」
可愛い鳴き声がして、安藤は思わず振り返る。
「え、トオルちゃん?!」
「アン!」
間違いない。
一目散に駆け寄ってくるのは、会いたくて堪らなかった可愛いトオルだった。
「トオルちゃん!」
「アンアン!」
飛びついてきたトオルを、安藤はひざまずいてギュッと胸に抱きしめる。
「トオルちゃん、やっと会えた!」
頬ずりして頭をなでると、トオルもぺろぺろと安藤の頬を舐めた。
「トオルちゃん、見て。綺麗な星空ね」
「アン!」
「ふふっ。いつまでもここにいたくなっちゃうね」
胸にしっかりとトオルを抱き、目を輝かせて星空を眺めている安藤を、吾郎は少し離れた所から優しく見つめていた。