極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「えー?なんだよー。吾郎の方が先に入居するのかよー」

マンションは新築で規模も大きい為、棟ごとに引っ越しスケジュールがある程度決められていた。

透と亜由美よりも、吾郎の方が先に引っ越すことが分かり、透は口を尖らせる。

「ははは!そういうことになるな、透くん。引っ越した際は、引っ越し蕎麦を持ってうちに挨拶に来たまえ。あ、それと。うちのトオルの方が先住民になるんだからな」
「はいー?なんだよそれ。申し込んだのは俺達が先だぞ?それにペットに俺の名前つけるとか、何考えてるの?」
「まあまあ、いいってことよ」

二人はオフィスで賑やかに言い合う。

「それに亜由美まで、トオルちゃんに会いたい!とか言い出すし」
「お、いいぜ。亜由美ちゃんもうちのトオルにメロメロになっちゃうだろうなー」
「なんだとー?」

大河と洋平は、お手上げとばかりに二人のやり取りに苦笑いする。

「ケンカしてるのに近所に住むって、仲がいいのか悪いのか…」
「ほんとだよ。でも、ま、楽しそうでいいよな」
「ああ。俺達も遊びに行かせてもらおう」

みんなでパーティールームに集まり、賑やかに楽しむ様子が目に浮かび、大河も洋平も思わず笑みを浮かべていた。
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