極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「ではでは、いっただっきまーす!」

ダイニングテーブルに4人で座り、亜由美と安藤が作った天ぷら蕎麦を食べ始める。

しばらくすると、トオルがタタッと近づいて来て、ぴょんと安藤の膝の上に飛び乗った。

いつものように安藤が優しくトオルをなでていると、亜由美が感心したように口を開く。

「ねえ、トオルちゃんって吾郎さんより莉沙ちゃんになついてない?莉沙ちゃん、ここに住んでるの?」

ブホッと吾郎が蕎麦を喉に詰まらせる。

「大変!都筑さん、はい、お茶」
「うん、ありがとう」

二人の様子に、亜由美は思わず両手で頬を押さえた。

「やだ!新婚さん、いらっしゃってるー!」
「あはは!亜由美、何だよそれ」
「だってラブラブなんだもん。いやーん、なんだか私が照れちゃう」
「亜由美だって、俺とラブラブだろ?」
「ふふっ、もちろん」

すると今度は安藤が頬を押さえてドギマギする。

「深瀬様。本当にお幸せそうですね」
「うん!莉沙ちゃんにいいお部屋紹介してもらったからね。私と透さんの愛の巣!」
「そ、そうですか。それは良かったです」
「ね。来週は莉沙ちゃんと吾郎さんがうちに来て。あ、もちろんトオルちゃんもね!」
「いえ、あの。私はお邪魔する訳には…」
「どうして?」
「それは、その。深瀬様はお客様ですから」
「そんなの、もう関係ないでしょ?これからは家族ぐるみのおつき合いになるんだから。あ!莉沙ちゃん、連絡先聞いてもいい?」
「え?あ、はい」

亜由美の勢いに呑まれて、安藤は言われるがままに連絡先を交換する。

「やったー!これからもよろしくね!莉沙ちゃん」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

そしてその勢いのまま、翌週、吾郎と安藤は透と亜由美の新居に遊びに行くことになった。
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