極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
ケーキを食べたあと、4人は敷地内のドッグランに向かった。
トオルと一緒に駆け回る吾郎や透の様子を見ながら、ベンチに並んで座った亜由美が安藤に話しかける。
「ねえ、莉沙ちゃんは吾郎さんが好きなの?」
ど真ん中ストレートな質問に、安藤は慌てふためく。
「まさか!そんな。都筑さんはお仕事の取引先の方です」
「でも普通、単なる仕事の取引先の人と、プライベートでしょっちゅう会ったりしないでしょ?」
「あ!そうですよね。すみません、非常識なことをして。私、トオルちゃんに会いたくてつい…。でもいけないことでしたよね」
安藤は見た目にも分かりやすく、どんよりと落ち込む。
「トオルちゃんにも、もう会えないのかな…」
いやいやいや!と、亜由美は手を伸ばして遮った。
「そんなのダメだよ。トオルちゃんにとって、莉沙ちゃんは立派なママだよ?莉沙ちゃんがいなくなったら、トオルちゃんがどんなに悲しむか。だからこれからも一緒にいなきゃダメ!」
「亜由美さん…。でも私、お仕事の関係者の方と、こうしてプライベートの時間にお会いするのはもう辞めなきゃ」
「いやだからね、仕事の関係者っていうのを辞めたらいいのよ」
「えっ!そんなのいけません」
「は?どうして?」
「アートプラネッツ様は、うちの会社にとってとても重要なお取引先なんです。これからもお力添えをいただきたいので」
「なんでそうなるのー!」
亜由美はガックリと頭を垂れる。
「莉沙ちゃん、少女マンガとか恋愛ドラマとかは観る?」
「いえ。そういうのは興味なくて」
「なるほど。では僭越ながらわたくしが物申します。莉沙ちゃん、あなたは吾郎さんのことが好きです」
「えっ?!そうなんですか?どうして?」
「好きでもない人と、こんなにしょっちゅう会ったりしないからです。莉沙ちゃん、吾郎さんの部屋にいて、苦痛だなって思ったことは?」
「ありません。居心地良くて、いつもついつい長居してしまって…。あ、それもいけないことでしたか?」
「いけなくなんかありません。じゃあ会話が噛み合わなかったり、つまんないなーと思ったことは?」
「ないです。不思議とリラックス出来て、トオルちゃんとソファでお昼寝させてもらったりはしますけど」
えっ!と亜由美は素に戻る。
「莉沙ちゃん、吾郎さんの部屋で寝ちゃうの?」
「はい。あ!これも非常識でしたね、すみません」
「ううん!いいのよ、全く問題ありません。どうぞスヤスヤお休みくださいませ」
「はあ…」
拍子抜けしたような安藤の横で、亜由美は「これはもう決まりでしょ!」と拳を握りしめていた。
トオルと一緒に駆け回る吾郎や透の様子を見ながら、ベンチに並んで座った亜由美が安藤に話しかける。
「ねえ、莉沙ちゃんは吾郎さんが好きなの?」
ど真ん中ストレートな質問に、安藤は慌てふためく。
「まさか!そんな。都筑さんはお仕事の取引先の方です」
「でも普通、単なる仕事の取引先の人と、プライベートでしょっちゅう会ったりしないでしょ?」
「あ!そうですよね。すみません、非常識なことをして。私、トオルちゃんに会いたくてつい…。でもいけないことでしたよね」
安藤は見た目にも分かりやすく、どんよりと落ち込む。
「トオルちゃんにも、もう会えないのかな…」
いやいやいや!と、亜由美は手を伸ばして遮った。
「そんなのダメだよ。トオルちゃんにとって、莉沙ちゃんは立派なママだよ?莉沙ちゃんがいなくなったら、トオルちゃんがどんなに悲しむか。だからこれからも一緒にいなきゃダメ!」
「亜由美さん…。でも私、お仕事の関係者の方と、こうしてプライベートの時間にお会いするのはもう辞めなきゃ」
「いやだからね、仕事の関係者っていうのを辞めたらいいのよ」
「えっ!そんなのいけません」
「は?どうして?」
「アートプラネッツ様は、うちの会社にとってとても重要なお取引先なんです。これからもお力添えをいただきたいので」
「なんでそうなるのー!」
亜由美はガックリと頭を垂れる。
「莉沙ちゃん、少女マンガとか恋愛ドラマとかは観る?」
「いえ。そういうのは興味なくて」
「なるほど。では僭越ながらわたくしが物申します。莉沙ちゃん、あなたは吾郎さんのことが好きです」
「えっ?!そうなんですか?どうして?」
「好きでもない人と、こんなにしょっちゅう会ったりしないからです。莉沙ちゃん、吾郎さんの部屋にいて、苦痛だなって思ったことは?」
「ありません。居心地良くて、いつもついつい長居してしまって…。あ、それもいけないことでしたか?」
「いけなくなんかありません。じゃあ会話が噛み合わなかったり、つまんないなーと思ったことは?」
「ないです。不思議とリラックス出来て、トオルちゃんとソファでお昼寝させてもらったりはしますけど」
えっ!と亜由美は素に戻る。
「莉沙ちゃん、吾郎さんの部屋で寝ちゃうの?」
「はい。あ!これも非常識でしたね、すみません」
「ううん!いいのよ、全く問題ありません。どうぞスヤスヤお休みくださいませ」
「はあ…」
拍子抜けしたような安藤の横で、亜由美は「これはもう決まりでしょ!」と拳を握りしめていた。