極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「奇跡なのは俺の方だよ、瞳子。こんなにも心が綺麗で、優しくて可愛い瞳子に出逢えた。瞳子の美しさは内面の現れだよ。瞳子の心の美しさが、瞳子を誰よりも綺麗に輝かせている。そんな瞳子がそばにいてくれるだけで、俺は信じられないほどの幸せを感じるんだ。今まで仕事のことばかりで、生きる意味なんて大して考えたこともなかった。だけど今は、ひしひしと感じるよ。瞳子と赤ちゃんを必ず幸せにして守り抜く。それが俺の人生の全てだ」
「大河さん…」

瞳子の瞳から綺麗な涙がポロポロとこぼれ落ちた。

大河は瞳子の右頬を大きな手のひらで包むと、親指でそっとその涙を拭う。

「瞳子。瞳子の人生はまだまだこれからだ。俺と赤ちゃんと一緒に、毎日を楽しく暮らそう。今まで辛くて悲しい思いをした分、瞳子にはその何倍も幸せになる権利があるよ。俺が必ず幸せにしてみせるから」
「うん…。ありがとう、大河さん」
「まずは二人で赤ちゃんを迎えよう。そして大切に育てていこうな。赤ちゃんが初めて寝返り打ったら喜んで、初めてハイハイしたら喜んで、初めて歩いたら喜んで、初めてしゃべったら喜んで…」

ふふっと瞳子は思わず笑い出す。

「喜んでばっかりね」
「ああ、そうだ。毎日が喜びに溢れているんだよ。大きくなったら神戸に連れて行こう。いつか、フランスにも」
「うん!」

瞳子は子どものように嬉しそうに笑って頷く。

大河はそんな瞳子に頬を緩めてから、愛おしそうにその瞳を見つめた。

「瞳子。心から君を愛してる」
「私もです。大河さん、世界中で誰よりも、あなたのことを愛しています」

瞳子の頬を包んだ左手に力を込めると、大河はそっと瞳子に口づける。

温かい幸せが胸いっぱいに広がるのを感じながら、二人は心がしびれるような幸せをいつまでも分かち合っていた。
< 137 / 141 >

この作品をシェア

pagetop