極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「はあ、びっくりしたなあ」

ゲネプロが終わり、控え室に戻った瞳子は、花束をテーブルに置いて、ふうと息をつく。

「でも皆さんのお気持ちが何より嬉しい!私の為に演奏してくれたなんて」

思わず笑みがこぼれた時、スマートフォンにメッセージが届いた。

「あ、大河さんだ」

開いてみると「リセールチケット、ゲット出来た!」とあった。

「ええ?!すごい!やったー!」
と喜んでから、瞳子は真顔に戻る。

「え、でも待って。大河さんに私の司会ぶり、見られちゃうじゃない。やだ!恥ずかしい」

じっと大河に見つめられながら司会するなんて…、と、瞳子は両手で頬を押さえる。

「仕方ない。お仕事だもんね、ちゃんと割り切ってやらないと」

うん、と己に頷いて、瞳子は再び台本を開いた。
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