極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「何を言っている?俺は瞳子を世界一幸せにすると誓ったんだ。まだまだこんなもんじゃない。もっともっと幸せにしてみせる。瞳子は誰よりも綺麗な心の持ち主なんだ。バチが当たるどころか、神様だって瞳子の幸せを願わずにはいられないよ、きっと」
「ええ?神様が?」
「ああ。瞳子の息を呑むほどの美しさを前にすると思うんだ。瞳子は神様の祝福を受けて、この世に生まれてきたんだと思う」
「そ、それは大きな勘違いですよ?そんなこと言ったら、それこそバチが当たっちゃう」
「バチ当たりなのは俺の方だ。こんなにも清らかで綺麗な瞳子を、独り占めしてるんだからな」
「大河さんにバチなんて当たりません。私を救ってくれた、世界で一番素敵な人なんだから」
「いーや、絶対に神様に怒られる。お前ごときが瞳子に触れるな!とかって」
「まさか!私には大河さんしかいないのに。神様、お願いだから大河さんを私から奪わないで」

両手を組んで懇願する瞳子を、大河はギュッと抱きしめる。

「たとえ神に背いてでも、俺は瞳子を決して手放したりしない」
「大河さん…」

二人でしばらく抱き合ってから、ゆっくりと身体を離した。

互いに目が合うと、真顔でぱちぱちと瞬きする。

「あの…、私達なんだか盛り上がり過ぎてません?」
「うん…。俺も今そう思った」
「ですよね。恥ずかしくなってきちゃった」
「そうだな。誰かに聞かれたら、バカップルか?って笑われそうだ」
「あはは!確かに。でも大河さんと一緒なら、笑われてもいいの」
「瞳子は違うよ。極上の女性なんだから」
「大河さんだって、私のたった一人の愛する人です。って、またさっきのやり取りに戻っちゃった」
「ははっ!バカップルのループだな。名付けて『バカップループ』」

バカップループ?!と、瞳子は目を丸くしてから笑い出す。

「おかしい!大河さん、座布団1枚!」
「えー、1枚だけ?」
「じゃあ、おまけで10枚!」
「ずいぶん弾んだな」
「あはは!」

無邪気に笑う瞳子を愛おしそうに見つめてから、大河は瞳子を抱き寄せて優しく口づけた。

うっとりと目を閉じて身体を預けてくれる瞳子に、大河はもう何も考えられなくなる。

二人は言葉もなく、湧き上がる愛しさのまま互いを求め合った。
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