極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
その後は皆ソワソワして仕事にならず、居ても立ってもいられずにオフィスで時計とにらめっこする。

夕食はデリバリーを頼み、仕事終わりの亜由美もオフィスに駆けつけた。

時計の針が21時を過ぎた時…。

ピコン!とグループメッセージの通知音が一斉に鳴った。

「洋平からだ!20時12分、元気な男の子が産まれました!母子ともに無事です、だって!」

透がいち早く読み上げると、やったー!と全員で喜びの声を上げた。

「良かったー、泉さんも赤ちゃんも無事で」
「うんうん、ほんとに」

瞳子は亜由美と手を取り合って涙ぐむ。

「あ、赤ちゃんの写真だ。可愛いー!」
「え?見せて、透さん」

亜由美が透からスマートフォンを受け取り、瞳子と一緒に覗き込んだ。

小さな可愛い赤ちゃんを胸に抱いた泉と、その泉の肩を抱く洋平が写っている。

「ひゃー!なんて可愛いの。天使よ、天使」
「小さいおててにぷくぷくのほっぺ!やーん、ラブリー!」

瞳子と亜由美は、興奮して思わず抱き合う。

「泉さんも洋平さんも、すっかりママとパパの顔ね」
「うんうん。あー、早くベビーちゃんに会いたい!」

ひとしきり盛り上がったあと、二人にお祝いのメッセージを送る。

大河達はアートプラネッツのグループに、そして瞳子と亜由美は『マダムプラネッツ』と名づけた泉と3人のグループに、それぞれ『おめでとう!』のメッセージを送った。
< 38 / 141 >

この作品をシェア

pagetop