極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「ではまず、当マンションの概要からご説明いたします。ターミナル駅から徒歩10分の抜群の立地に、緑豊かな広大な土地をご用意しました」
「いいですよね、あの駅。色んなお店が入ってて、私もよくお買い物に行くんです。美味しいカフェとか、お気に入りの雑貨屋さんもあって!」
「そうなのですね!それでしたら、毎日の通勤も楽しくなりますね」
「ええ。あんなに大きな駅なのに、歩いて10分でこんなに自然に囲まれたマンションに帰れるなんて、素敵!」
「はい。敷地面積が広く、約1000戸の規模の低層レジデンスですから、真夜中の一般道路の騒音にも悩まされず、静かに安心して暮らしていただけると思います」

安藤と亜由美は、楽しそうに話を進める。

「共用施設も、どれもこれも魅力的!プールにカラオケに、パーティールームにスカイラウンジ!私、全部使いまくっちゃうかも」
「ふふっ、はい!どうぞ毎日たくさん使ってくださいね」

原口も安心したように、隣でにこやかに頷いている。

「ここに住めば、ご近所のお友達もたくさん出来そうだなー。将来子どもが生まれたら、敷地内の公園に遊びに行かせれば危なくないし」
「そうですよね。その安心感はご両親にとって大きいと思います」
「お部屋はどんなタイプがありますか?いずれは子どもが欲しいのと、主人も私も映画鑑賞やゲームが好きなので、シアタールームに惹かれてるんですけど」
「ええ。それでしたら、まずはシアタールームのあるお部屋をいくつかご紹介しますね」

マンションは全部で50棟に分けられていて、見える景色やリビングに面する方角も違ってくる。

安藤はそれを、一つ一つ丁寧に説明した。

「なるほど。じゃあ、ここが1番いいなー。リビングも南向きだし、メゾネットタイプだから、2階に子ども部屋を作ったら、下の階の人に気を遣いすぎなくても良さそうだし」
「そうですね。1階にあるシアタールームも広いですし、オプションで防音仕様にも出来ますよ」
「そうなんですね!すごーい。じゃあここにしよう!あ、その前に。吾郎さん」

急に話しかけられ、吾郎は、ん?と亜由美の顔を見る。
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