極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
ミュージアムショップでは、あれもこれもとたくさん買い物をする瞳子だったが、大河がハイブランドのショップに連れて行こうとすると、興味ないからと断った。
代わりに地元のスーパーに行きたい、と言い、お菓子や紅茶などが並ぶ棚を見て喜々とする。
「わー、見て!マロンのペーストがある。ホットケーキにつけたら美味しそうよね?買って帰ろうっと。あとはジャムと…あ!このガレットも美味しそう!」
ふらりと立ち寄る雑貨屋でも小物や文房具を選び、ホテルに戻ると瞳子は買ってきた品をベッドの上に並べる。
「たくさん買っちゃった!えっとね、この可愛いマカロンのチャームは亜由美ちゃんに。こっちの、クロワッサンくんのミニクッションは透さん!」
カラフルなマカロンがいくつか並ぶチャームと、クロワッサンに目と口が付いたなんとも愛嬌のあるミニクッションを両手に、瞳子は、ふふっと笑う。
「確かに、二人に似合いそうだな」
大河が頷くと、でしょう?と瞳子は小首を傾げる。
「もう決まりよね。マカロン亜由美とクロワッサン透!」
「ははっ!なんだそりゃ」
「でね、泉さんにはルーヴル美術館で買ったトートバッグ。洋平さんには、エッフェル塔のペン立て。ルーヴル泉とエッフェル洋平ね」
「あはは!」
大河はお腹を抱えて笑い出す。
「似合う似合う!じゃあ吾郎は?」
「吾郎さんはこれ!凱旋門吾郎!」
そう言って、ズシッと重さのある何だかよく分からない凱旋門のミニチュアを手にする。
大河は、ヒー!と仰け反って笑い転げた。
「凱旋門吾郎!強そう!」
「ね!ぴったりよね」
しばらく笑い続けてから、ようやく大河は笑いを収めた。
「それで?瞳子のお土産は?」
「私はこれ。モネの『睡蓮』のクリアファイル。原稿とか台本を入れるのに使うの」
「それだけ?」
「あとは、ボールペンとポーチも。それから雑貨屋さんで見つけたアロマキャンドル!」
嬉しそうな瞳子とは対照的に、大河は何やら考え込む。
「ん?どうしたの?大河さん」
「いや、だって…。俺、瞳子に色々買いたかったんだ。瞳子が欲しいもの全部」
「ええ。だからたくさん買ってもらっちゃった。いけなかった?」
「違うよ。もっとこう、有名なブランドのアクセサリーとかバッグとか、洋服とか。そういうのを買いたくて」
「大河さんが欲しいの?それなら明日、一緒に選びに行きましょ」
「俺は興味ないから。瞳子のものを買おう」
「私も興味ないんです」
肩透かしを食って、大河はガクッとなる。
「そんな…。せっかくパリに来たんだから、瞳子に色々プレゼントしたいのに」
「もうたくさん買ってもらったのに?」
「だから、そういうのじゃなくて…」
「んー、それなら大河さん。お願いがあります」
え、何?と、大河は身を乗り出す。
「私、オペラ・ガルニエ(オペラ座)でバレエを観たくて。一緒につき合ってもらってもいいですか?」
「ガルニエか!もちろん。俺も行ってみたかったんだ」
「ほんと?良かった!」
「じゃあ、明日早速行こう。あ!それなら、お揃いの衣装買いに行こうか」
「大河さんとお揃い?わあ!素敵」
「よし!じゃあ、決まりな」
「うん!楽しみ」
満面の笑みを浮かべる瞳子を、大河は両腕で優しく胸に抱き寄せ、そっとキスをする。
パリの夜は、二人にとってこの上なくロマンチックなひとときだった。
代わりに地元のスーパーに行きたい、と言い、お菓子や紅茶などが並ぶ棚を見て喜々とする。
「わー、見て!マロンのペーストがある。ホットケーキにつけたら美味しそうよね?買って帰ろうっと。あとはジャムと…あ!このガレットも美味しそう!」
ふらりと立ち寄る雑貨屋でも小物や文房具を選び、ホテルに戻ると瞳子は買ってきた品をベッドの上に並べる。
「たくさん買っちゃった!えっとね、この可愛いマカロンのチャームは亜由美ちゃんに。こっちの、クロワッサンくんのミニクッションは透さん!」
カラフルなマカロンがいくつか並ぶチャームと、クロワッサンに目と口が付いたなんとも愛嬌のあるミニクッションを両手に、瞳子は、ふふっと笑う。
「確かに、二人に似合いそうだな」
大河が頷くと、でしょう?と瞳子は小首を傾げる。
「もう決まりよね。マカロン亜由美とクロワッサン透!」
「ははっ!なんだそりゃ」
「でね、泉さんにはルーヴル美術館で買ったトートバッグ。洋平さんには、エッフェル塔のペン立て。ルーヴル泉とエッフェル洋平ね」
「あはは!」
大河はお腹を抱えて笑い出す。
「似合う似合う!じゃあ吾郎は?」
「吾郎さんはこれ!凱旋門吾郎!」
そう言って、ズシッと重さのある何だかよく分からない凱旋門のミニチュアを手にする。
大河は、ヒー!と仰け反って笑い転げた。
「凱旋門吾郎!強そう!」
「ね!ぴったりよね」
しばらく笑い続けてから、ようやく大河は笑いを収めた。
「それで?瞳子のお土産は?」
「私はこれ。モネの『睡蓮』のクリアファイル。原稿とか台本を入れるのに使うの」
「それだけ?」
「あとは、ボールペンとポーチも。それから雑貨屋さんで見つけたアロマキャンドル!」
嬉しそうな瞳子とは対照的に、大河は何やら考え込む。
「ん?どうしたの?大河さん」
「いや、だって…。俺、瞳子に色々買いたかったんだ。瞳子が欲しいもの全部」
「ええ。だからたくさん買ってもらっちゃった。いけなかった?」
「違うよ。もっとこう、有名なブランドのアクセサリーとかバッグとか、洋服とか。そういうのを買いたくて」
「大河さんが欲しいの?それなら明日、一緒に選びに行きましょ」
「俺は興味ないから。瞳子のものを買おう」
「私も興味ないんです」
肩透かしを食って、大河はガクッとなる。
「そんな…。せっかくパリに来たんだから、瞳子に色々プレゼントしたいのに」
「もうたくさん買ってもらったのに?」
「だから、そういうのじゃなくて…」
「んー、それなら大河さん。お願いがあります」
え、何?と、大河は身を乗り出す。
「私、オペラ・ガルニエ(オペラ座)でバレエを観たくて。一緒につき合ってもらってもいいですか?」
「ガルニエか!もちろん。俺も行ってみたかったんだ」
「ほんと?良かった!」
「じゃあ、明日早速行こう。あ!それなら、お揃いの衣装買いに行こうか」
「大河さんとお揃い?わあ!素敵」
「よし!じゃあ、決まりな」
「うん!楽しみ」
満面の笑みを浮かべる瞳子を、大河は両腕で優しく胸に抱き寄せ、そっとキスをする。
パリの夜は、二人にとってこの上なくロマンチックなひとときだった。