極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
カラフルな木組みの建物が並ぶ旧市街地や、傾いた家が見られるシャン・ジャケ広場など、メルヘンチックな世界が広がり、大河はまた瞳子の写真をたくさん撮った。

「可愛いなあ。瞳子が可愛い女の子って感じで、ほんとに可愛い」
「大河さん…。何回繰り返すの?」
「だってほんとに可愛いんだもん」
「もう、やれやれ」

ニヤニヤと撮ったばかりの写真を見返す大河を、瞳子は呆れたように眺める。

ランチがてら、ブルターニュ地方の名物のガレットを食べると、広大な敷地を誇るタボール公園へ足を伸ばした。

19世紀に建設された庭園には、ローズガーデンやフレンチガーデンなど様々なテーマのエリアがあり、木蓮や、2,000種類を超えるバラが咲き誇っている。

甘い香りを楽しみながら、瞳子はゆっくりと花を観て回った。

「綺麗だなー、バラと瞳子のコラボ。もう最高!」

後ろから聞こえてくる興奮した大河の声に若干苦笑いしつつ、瞳子は美しいバラに目を細めた。

最後に、天井のステンドグラスが美しいサン・ピエトロ大聖堂に寄ってからレンタカーを借りて、いよいよモン・サン・ミッシェルを目指す。

「良かったよ、国際運転免許証持って来ておいて。やっぱり車はいいな」
「ええ。とーっても気持ちがいいです」

窓から見える景色に夢中になり、時々気に入った街で寄り道したりもしながら、二人はドライブを楽しんだ。
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