極上の彼女と最愛の彼 Vol.3
「トオルちゃん!」
「アンアン!」

車でマンションまで連れて来ると、安藤は靴を脱ぐなりリビングに駆け込んだ。

「ああ、やっと会えた!トオルちゃん」
「アン!」

トオルを抱き上げて床にペタンと座ると、安藤は嬉しそうに頬ずりする。

「可愛い!トオルちゃんを抱いていると、どうしてこんなに心があったかくなるの?ああ、もう、毎日一緒にいたいのに」
「アン!」

熱い抱擁に苦笑いしながら、吾郎はローテーブルに冷たいアイスティーを置いた。

「はい、良かったらどうぞ」
「ありがとうございます、都筑さん。私をトオルちゃんに会わせてくれて」
「ん?いや、それはいいから。アイスティーは?」
「ああ、私もう幸せで胸がいっぱいで」
「えっと、あの、アイスティーは?」
「私、ここに住んだらダメですか?そしたら毎日トオルちゃんに会えるのに」
「いやいや、それはダメでしょう。ほら、アイスティー」
「どうして?なぜ都筑さんは、私とトオルちゃんの仲を引き裂こうとするんですか?」
「してないよ、うん。そんなつもりは微塵もないから。はい、アイスティー飲んで酔いを覚まそう」
「酔ってなんかいません。私は本当にトオルちゃんが好きなんです」

安藤は、胸に抱きしめたトオルに頬を寄せて呟く。

「トオルちゃん、大好きよ」
「クーン…」

やれやれと吾郎がため息をついていると、やがて安藤は、スーッとソファにもたれて眠りに落ちた。
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