いつかまた一緒に
女の子は自分で立ち上がり、同じ学校の人たちのところへ行ってしまう。あんなに綺麗な子、生まれて初めて見たなぁ……。
「お前、顔真っ赤だぞ」
翔太郎が僕の肩をポンと叩きながらニヤニヤと言う。僕は「やめてよ!」と言い、顔を逸らした。心臓がドキドキとうるさい。
女の子のことを忘れようと、僕は今日演奏した曲のことを思い出した。顧問の先生が課題曲として渡したもので、初恋の人に送った曲だと言っていた。
(恋ってどんな気持ちなんだろう……)
誰かに対して中学三年生なのに特別な気持ちを抱いたことがない。恋という単語と共にまたあの女の子が浮かんできそうで、僕は慌てて会場の外へと出た。
一時間後、審査員の審査が終わり、僕たちはまた会場にやって来た。いよいよ僕たちの運命が決まる。
「それでは、発表致します。松岡中学校」
「はい!」
ステージ上に呼ばれた学校の部長が立ち、審査員からの結果を緊張した面持ちで聴く。
「銀賞」
松岡中学校の部員たちの落ち込んだ声が僕たちのところまで聞こえてきた。僕は制服のズボンを握り締める。大丈夫。大丈夫。
「お前、顔真っ赤だぞ」
翔太郎が僕の肩をポンと叩きながらニヤニヤと言う。僕は「やめてよ!」と言い、顔を逸らした。心臓がドキドキとうるさい。
女の子のことを忘れようと、僕は今日演奏した曲のことを思い出した。顧問の先生が課題曲として渡したもので、初恋の人に送った曲だと言っていた。
(恋ってどんな気持ちなんだろう……)
誰かに対して中学三年生なのに特別な気持ちを抱いたことがない。恋という単語と共にまたあの女の子が浮かんできそうで、僕は慌てて会場の外へと出た。
一時間後、審査員の審査が終わり、僕たちはまた会場にやって来た。いよいよ僕たちの運命が決まる。
「それでは、発表致します。松岡中学校」
「はい!」
ステージ上に呼ばれた学校の部長が立ち、審査員からの結果を緊張した面持ちで聴く。
「銀賞」
松岡中学校の部員たちの落ち込んだ声が僕たちのところまで聞こえてきた。僕は制服のズボンを握り締める。大丈夫。大丈夫。