いつかまた一緒に
「白銀中学校」

「はい!」

「銅賞」

「雷間中学校」

「はい!」

「金賞」

次々と中学校が呼ばれていく。僕たちは互いに祈り、緊張から心臓の鼓動が早まっていった。

「音浜中学校」

「はい!」

返事をしてステージに立ったのは、僕がぶつかった女の子だった。同じ三年生だったんだ……。ステージから僕たちが座る客席は距離がある。でも、女の子が誰よりも輝いて見えた。

「金賞」

女の子の緊張したような表情が笑顔に染まっていく。僕たちの学校の隣に座っている音浜中学校の吹奏楽部が「よっしゃあ!」と大きな声を上げた。

「夏目中学校」

「はい!」

いよいよ僕たちの学校の番だ。ステージに歩美が立つ。指先が一瞬にして氷を握り締めたみたいに冷たくなっていく。怖い。時が止まってしまったらいい。でも、結果を知りたい。

矛盾した気持ちがごちゃごちゃに心の中に生まれていく。そんな中、審査員が口を開く。

「金賞」
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