彼の愛に、堕ちて、溺れて。〜再会した幼馴染みの愛は、深くて重い〜
 既に風呂を済ませていた実杏はセットアップの部屋着なのか、白地に小さい花が描かれている上下揃った柄のもので、キャミソールの上に薄手のカーディガンを羽織り、下はロング丈のパンツスタイルだ。

 ソファーに押し倒した事でカーディガンが少しはだけているせいか、より素肌の露出が多くなっている。

 いくら知らない仲とは言え、俺みたいな男の前でこういう格好をするのは無防備以外の何物でもない。

「つ、ばさ……くん……、あの……は、なして……」

 両腕を俺に掴まれて顔の横で拘束されて上から見下ろされている実杏は、これが何を意味するか分かったのだろう。

 腕に力を入れてこの場から退こうとするも男の俺の力に敵うはずもなく、それが無理だと分かると俺から顔を背けた実杏。

 そんな彼女に顔を近づけながら俺は、「そんな露出の多い格好して、お前はこうされる事を望んでたんじゃねぇの?」と耳元で囁くようにそう問いかける。

「……ん、……ち、がう……っ」

 それが(くすぐ)ったかったのか、実杏は身体をピクリと反応させて途切れ途切れに否定する。

「違わねぇだろ? つーか、そんな顔して違うとか言われても、説得力ねぇけどな」

 頬を紅潮させて瞳を潤ませているところを見ると、嫌がっているというより、どこか期待しているようにも見える。

「いいじゃねぇか、どうせ遅かれ早かれお前は俺に抱かれるんだから……なあ、今から、しようぜ?」

 もう一度耳元でそう口にした俺は、耳朶を甘噛みして舌で舐めると、

「……ん、っぁ、……」

 驚いた実杏は小さく声を上げて身を(よじ)る。

「良いな。もっと声、聞かせろよ」

 表情といい声といい、実杏の色っぽさに俺の身体は反応していき、もう、止めるという選択肢は無くなった。

 未だ逃れようとする実杏に構うことなく、今度は首筋に舌を這わせていく。

「……、っや、ん……」

 与えられる刺激に実杏の身体は徐々に力が抜けていき、俺が右手を離してキャミソールの下から指を入れて胸の膨らみを撫でるように刺激すると、

「……っぁ、や……んっ」

 カップ付きのキャミソールでブラジャーを身に付けていなかった実杏は直接胸に触れられた事で、より大きな声を上げて反応を見せた。
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