彼の愛に、堕ちて、溺れて。〜再会した幼馴染みの愛は、深くて重い〜
 一体、私の身体は、どうなってしまったのだろう?

 翅くんの指の動きに身体がいちいち反応してしまい、身を捩り、抑えきれない声を吐息と共に漏らせば、その行為が彼の欲を掻き立てるようで、彼の指の動きはより一層強くなる。

 それは分かっているのに、自分の身体なのに、まるで他人の身体なんじゃないかと思うくらい、何もかもが制御出来なくなる。

 声だって、恥ずかしいのに抑えきれなくなる。

 勿論、セックスなんて初めてじゃないから、こうして乱される事はあった……けれど、ただ触られるだけでこんなにも気持ちよくて、意識が飛びそうになるなんて、思えば初めての経験だった。

 それは単にこれまでの人たちがあまり上手くなかっただけなのか、それとも翅くんが上手すぎるだけなのか……その辺は分からないけれど、これまでは互いに好きだと自覚して、彼氏彼女として身体を重ね合わせてきたし、それが普通だと思っていた。

 なのに、こんな風に彼氏でもない人と身体を重ね、自らもそれを求める事になるなんて、思いもしなかった。

 こんな風に彼氏でもない男とセックスをする事は無いって思ってた。

 だけど今、私はこうして彼氏でも何でもない人に、全てをさらけ出している。

 知らない仲では無いけれど、年下で弟みたいに可愛がっていた幼馴染みに……こんな乱れた姿を晒してる。

「――ッぁ!」

 指で攻め続けられ、身体全てが性感帯になってしまったのではないかと思う程、少しの刺激にも反応してしまう。

「……や、そこ、……だめッ」

 いつの間にか下着をも下げられ、最も敏感で既に受け入れる準備整っているくらいに濡れたその場所に翅くんの指先が――触れていた。

 そして、

「――ッぁ、んっ……やっ」

 彼の男らしい骨ばった長い指が滑り込むように挿入されて、私の腟内(なか)を刺激していく――。
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