彼の愛に、堕ちて、溺れて。〜再会した幼馴染みの愛は、深くて重い〜
「……っはぁ……、はぁ……っ」

 指だけでイかされた私は、ベッドの上で上がった息を整える。

 昨夜から何度、こんな風に絶頂を迎えたのだろう。

 そのせいで、身体が敏感になり過ぎてしまった気がする。

(朝からこんな事……、信じられない)

 年下の男の子って、こんなにも性欲が強いのだろうか。

 だけど、今のじゃ私だけが気持ちよくなっただけで、翅くんにとってはスッキリしないんじゃ? なんて、そんな事を考えるあたり私はどうかしているのかもしれない。

 今のは半ば無理矢理やられたみたいな状況なのに、そんな相手の性事情の心配なんてしているあたり、たった一夜ですっかり毒されている気がする……。

「ほら、さっさと準備しろよ」
「……あ、うん……」

 何だか急に素っ気なくなった彼に若干の戸惑いを感じつつ、身体を起こした私はベッドの上に放られたままの下着と部屋着を手に、そのままバスルームへと走って行った。

 シャワーを浴び、ふと、鏡に映る自分の姿をみつめていると、首筋や胸元に赤い痕がいくつか残っているのを見つけて驚愕した。

(これって…………キス、マーク……)

 噂には聞いた事あるけど、実際自分が付けられたのは初めてで、何だかマジマジと見つめてしまう。

(本当に、こんな風に痕、残るんだ……)

 これまで付き合った人にも付けられた事がなかったキスマーク。

 付き合ってもいない翅くんに付けられたという事実が何とも言えないけれど、こんなモノをつける心理と言えば、普通は独占欲の表れなのではと思ってしまう。

(…………いや、そんな訳ないよね。翅くんはきっと、私を困らせて反応を楽しみたいだけなんだ……)

「っていうかこれ、目立つよね……どうしよう……」

 身体に付けられた赤い印をどう隠したらいいものか、そんな事を考えながらシャワーを浴び終えた私は着替えを済ませ、送ってくれるという翅くんの言葉に甘え、職場まで向かう事になった。
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