【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
4.「……はぃ? 会う、ですか?」
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「……はぃ? 会う、ですか?」
翌日。いつものようにドロシーは王城に殴り込みに来ていた。とはいっても、もちろん物理的に殴るつもりは一切ない。一言文句を言えたらいいな~、でもどうせ会ってくれないだろうな~。そんなのんきな気持ちで王城に来たら、まさかの回答である。まさに、寝耳に水。その所為で、ドロシーはその大きな目が零れ落ちてしまうのではないだろうかというほど、大きく見開いてしまった。
「はい、殿下はドロシー様にお会いしたいということでございます。案内しますので、どうぞ」
驚き戸惑うドロシーを他所に、ダニエルはドロシーの前で静かに従者の一礼を取り、ルーシャンの元に案内する意思を伝える。しかし、ドロシーは喜ぶ様子など一切見せず「……何故、いきなり」などとぶつぶつと唱えるだけ。どうやら、ドロシーの行動原理の大半はルーシャンの予想していた「世間体」だったようだ。そう判断し、ダニエルは苦笑を浮かべながら「殿下は、気まぐれな部分がありますので」とだけ付け足しておいた。
「どうぞ、ドロシー様」
「は、はぁ、よろしくお願い、します」
ダニエルにもう一度声を掛けられ、ドロシーはようやく現実に戻ってくることが出来た。そして、ダニエルの後を追う。初めて立ち入る王族専用のスペースの豪奢さにあっけにとられながら、ドロシーは呆然といろいろと考えてしまった。
「……はぃ? 会う、ですか?」
翌日。いつものようにドロシーは王城に殴り込みに来ていた。とはいっても、もちろん物理的に殴るつもりは一切ない。一言文句を言えたらいいな~、でもどうせ会ってくれないだろうな~。そんなのんきな気持ちで王城に来たら、まさかの回答である。まさに、寝耳に水。その所為で、ドロシーはその大きな目が零れ落ちてしまうのではないだろうかというほど、大きく見開いてしまった。
「はい、殿下はドロシー様にお会いしたいということでございます。案内しますので、どうぞ」
驚き戸惑うドロシーを他所に、ダニエルはドロシーの前で静かに従者の一礼を取り、ルーシャンの元に案内する意思を伝える。しかし、ドロシーは喜ぶ様子など一切見せず「……何故、いきなり」などとぶつぶつと唱えるだけ。どうやら、ドロシーの行動原理の大半はルーシャンの予想していた「世間体」だったようだ。そう判断し、ダニエルは苦笑を浮かべながら「殿下は、気まぐれな部分がありますので」とだけ付け足しておいた。
「どうぞ、ドロシー様」
「は、はぁ、よろしくお願い、します」
ダニエルにもう一度声を掛けられ、ドロシーはようやく現実に戻ってくることが出来た。そして、ダニエルの後を追う。初めて立ち入る王族専用のスペースの豪奢さにあっけにとられながら、ドロシーは呆然といろいろと考えてしまった。