【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
37.「ですが、このままではお嬢様が倒れてしまいます」
ルーシャンが魔物退治に旅立ってから、早くも三日が経った。王国を守る結界が壊されたことは民たちに秘密になっているので、公には王子たちは公務に出向いているということになっている。ドロシーはルーシャンの妻なので、特別に教えてもらっただけなのだ。
「……あと、少し」
あれ以来、ドロシーは寝ずにとあることを行っていた。それは――ポーション作りである。寝る間も惜しみ、ポーションを作り続けるドロシーのことを、リリーは心配してくれた。両親も、止めてくれた。だが、ドロシーも何かしたかったのかもしれない。
(ルーシャン殿下だけ頑張っているなんて、癪じゃない)
そう自分に言い聞かせながら、ドロシーはまた薬草を煎じる。そんな光景を見つめながら、リリーが「お嬢様」と声をかけてきた。そのため、ドロシーは視線を薬草に向けたまま「どうしたの」と返事をする。
「もうそろそろ、一度眠りましょうよ。……もう、限界でございます」
今まで、ドロシーは納期が近い際は徹夜をすることもあった。が、三日も寝なかったのは初めてだ。だからだろう、リリーはそう声をかけてくれた。だが、ドロシーは「いやよ」というだけ。
「これは、私が決めたことだもの。今更考えを覆すなんて、ぜーったいにいや」
ドロシーは、ルーシャンが魔物退治に旅立った時に決めたのだ。自分も、絶対に役に立つと。これでも一応王子の妻なのだ。何かしないと……という使命感が、微かにあった……のだろう。
「ですが、このままではお嬢様が倒れてしまいます」
それでも、リリーは引かない。もしかしたら、ドロシーの父か母に止めるようにとお願いされたのかもしれない。父も母も、ドロシーの身をとても案じている。寝る間も食事の間も惜しんでポーションを作り続けるドロシーのことを、心配してくれている。
「……あと、少し」
あれ以来、ドロシーは寝ずにとあることを行っていた。それは――ポーション作りである。寝る間も惜しみ、ポーションを作り続けるドロシーのことを、リリーは心配してくれた。両親も、止めてくれた。だが、ドロシーも何かしたかったのかもしれない。
(ルーシャン殿下だけ頑張っているなんて、癪じゃない)
そう自分に言い聞かせながら、ドロシーはまた薬草を煎じる。そんな光景を見つめながら、リリーが「お嬢様」と声をかけてきた。そのため、ドロシーは視線を薬草に向けたまま「どうしたの」と返事をする。
「もうそろそろ、一度眠りましょうよ。……もう、限界でございます」
今まで、ドロシーは納期が近い際は徹夜をすることもあった。が、三日も寝なかったのは初めてだ。だからだろう、リリーはそう声をかけてくれた。だが、ドロシーは「いやよ」というだけ。
「これは、私が決めたことだもの。今更考えを覆すなんて、ぜーったいにいや」
ドロシーは、ルーシャンが魔物退治に旅立った時に決めたのだ。自分も、絶対に役に立つと。これでも一応王子の妻なのだ。何かしないと……という使命感が、微かにあった……のだろう。
「ですが、このままではお嬢様が倒れてしまいます」
それでも、リリーは引かない。もしかしたら、ドロシーの父か母に止めるようにとお願いされたのかもしれない。父も母も、ドロシーの身をとても案じている。寝る間も食事の間も惜しんでポーションを作り続けるドロシーのことを、心配してくれている。