【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
51.「でも、ドロシー嬢だけは違うみたいだな、どうやら」
★☆★
「んんっ」
身じろぎをして、目を覚ます。ぼんやりとする脳内の中、見慣れぬ天井が視界に入って一気に意識が覚醒した。
「……起きたか?」
さらに、何処からともなく聞こえてくるその声にドロシーはハッとする。慌てて起き上がれば、近くの椅子にルーシャンが腰掛けていた。彼は何やら分厚い本をめくりながら挑発的に笑う。
「る、ルーシャン、殿下……」
恐る恐るその名前を呼べば、彼は少しだけ噴き出して「あんなところで寝たら、風邪ひくぞ」と声をかけてくる。その声には今までのような皮肉がこもっていないような気がして、ドロシーは一瞬だけドキドキとしてしまった。
(って、何しているのよ、私!)
しかし、そんな胸キュンをねじ伏せる。その後、誤魔化すようにゆるゆると首を横に振り「……もう、大丈夫ですか?」と問いかける。
「あぁ、もう大丈夫だ。……俺からすれば、ドロシー嬢の方が大丈夫かと言いたいんだけれどな」
「……どういうことですか?」
「ダニエルからいろいろ聞いた」
そう言って、ルーシャンは露骨にため息をつく。多分だが、彼はドロシーが無茶をしたと思ったのだろう。……今までならば、彼はそんなことを言わなかっただろうに。そう思い疑問を抱くものの、ルーシャンのその手がドロシーの額に伸びる。そのまま指先を押し付けられ、ドロシーの顔が一気に赤く染まった。
「……熱は、ないみたいだな」
ルーシャンのその言葉にドロシーは「な、な、なっ!」と声を上げながら狼狽える。
「んんっ」
身じろぎをして、目を覚ます。ぼんやりとする脳内の中、見慣れぬ天井が視界に入って一気に意識が覚醒した。
「……起きたか?」
さらに、何処からともなく聞こえてくるその声にドロシーはハッとする。慌てて起き上がれば、近くの椅子にルーシャンが腰掛けていた。彼は何やら分厚い本をめくりながら挑発的に笑う。
「る、ルーシャン、殿下……」
恐る恐るその名前を呼べば、彼は少しだけ噴き出して「あんなところで寝たら、風邪ひくぞ」と声をかけてくる。その声には今までのような皮肉がこもっていないような気がして、ドロシーは一瞬だけドキドキとしてしまった。
(って、何しているのよ、私!)
しかし、そんな胸キュンをねじ伏せる。その後、誤魔化すようにゆるゆると首を横に振り「……もう、大丈夫ですか?」と問いかける。
「あぁ、もう大丈夫だ。……俺からすれば、ドロシー嬢の方が大丈夫かと言いたいんだけれどな」
「……どういうことですか?」
「ダニエルからいろいろ聞いた」
そう言って、ルーシャンは露骨にため息をつく。多分だが、彼はドロシーが無茶をしたと思ったのだろう。……今までならば、彼はそんなことを言わなかっただろうに。そう思い疑問を抱くものの、ルーシャンのその手がドロシーの額に伸びる。そのまま指先を押し付けられ、ドロシーの顔が一気に赤く染まった。
「……熱は、ないみたいだな」
ルーシャンのその言葉にドロシーは「な、な、なっ!」と声を上げながら狼狽える。