【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「ですが、あんな計画を……」
「あら、リリー? 意外なことに、ルーシャン殿下はあの計画を了承してくださったのよ? というわけで、私一年後に離縁して、また独身に戻るわ。その後修道院に行くかもしれないけれどね」
「……はいぃぃぃ?」
本日二度目のリリーの間抜けな声を聞きながら、ドロシーは「ふふっ」などと声を上げて笑った。そんなドロシーを見つめながら、リリーは「……ルーシャン殿下は、どんな変人なのですか?」と返すことしか出来ない。何故、あんな拙くも雑な計画を了承してしまうのだ。まぁ、人間嫌いのルーシャンにとって婚姻さえ嫌なものだったのだろう。なので、離縁に賛成する気持ちはあったのかもしれない……が。いや、ほんのちょっぴり、本当にちょっぴりだけ、だが。
「……お嬢様。ルーシャン殿下は、どんなお方でしたか?」
「どうって言われても……そうねぇ。噂通りとんでもない美貌の持ち主だったわ。私と並んだら、私が見劣りしてしまうぐらい……かしら?」
「まぁ、それは……」
とんでもない美貌の持ち主、ですわね。そう言葉を続けようとしたが、リリーはその言葉を飲み込んだ。リリーにとって、ドロシーはとても大切な主である。だから、主を蔑ろにするルーシャンを褒める言葉は慎みたかった。まぁ、ドロシーは気にもしないのだろうが。
「あら、リリー? 意外なことに、ルーシャン殿下はあの計画を了承してくださったのよ? というわけで、私一年後に離縁して、また独身に戻るわ。その後修道院に行くかもしれないけれどね」
「……はいぃぃぃ?」
本日二度目のリリーの間抜けな声を聞きながら、ドロシーは「ふふっ」などと声を上げて笑った。そんなドロシーを見つめながら、リリーは「……ルーシャン殿下は、どんな変人なのですか?」と返すことしか出来ない。何故、あんな拙くも雑な計画を了承してしまうのだ。まぁ、人間嫌いのルーシャンにとって婚姻さえ嫌なものだったのだろう。なので、離縁に賛成する気持ちはあったのかもしれない……が。いや、ほんのちょっぴり、本当にちょっぴりだけ、だが。
「……お嬢様。ルーシャン殿下は、どんなお方でしたか?」
「どうって言われても……そうねぇ。噂通りとんでもない美貌の持ち主だったわ。私と並んだら、私が見劣りしてしまうぐらい……かしら?」
「まぁ、それは……」
とんでもない美貌の持ち主、ですわね。そう言葉を続けようとしたが、リリーはその言葉を飲み込んだ。リリーにとって、ドロシーはとても大切な主である。だから、主を蔑ろにするルーシャンを褒める言葉は慎みたかった。まぁ、ドロシーは気にもしないのだろうが。