【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「……どうせならば、お嬢様のお話をすればいいと思いますよ。例えば……ポーションのお話とか」
「それ、楽しいかしら?」
ドロシーは知っている。興味ないことを延々と聞かされることの辛さを。一時期、ドロシーに言い寄ってきていた高位貴族の男性は、いかに自身が優れているかを語ってきた。だが、ドロシーは男性のスペックなど興味がなかった。高位貴族だろうが下位貴族だろうが、自らの趣味と特徴を認めてくれる人が良かったのだ。……あと、深くかかわってこない人。
「まぁ、そうですね。ですが、一度お話をしてみるのもいいかと思います」
「……そう言うもの?」
「えぇ、興味があれば乗ってくださると思いますよ」
リリーのその言葉を真面目に聞きながら、ドロシーは「じゃあ、一度お話してみるわ」とだけ返した。どうせ、数時間の辛抱だ。数時間を過ぎれば……いつもの日常に戻ることが出来る。
「あと、帰ったら依頼されているポーションも作成しなくちゃいけないわね。材料の在庫も、チェックしておかなくちゃ」
そして、ドロシーはそうつぶやいて「ふわぁ」と大きくあくびをした。昨日も依頼されたポーションを作っていたのだ。徹夜は肌に悪いと母や侍女たちが嘆くが、ドロシーは構わない。何故ならば……ドロシーは、自らの容姿よりも調合が、趣味の方が大切だから。
こうして、ドロシーとリリーは馬車に揺られながらルーシャンの待つ王城に向かっていた。
「それ、楽しいかしら?」
ドロシーは知っている。興味ないことを延々と聞かされることの辛さを。一時期、ドロシーに言い寄ってきていた高位貴族の男性は、いかに自身が優れているかを語ってきた。だが、ドロシーは男性のスペックなど興味がなかった。高位貴族だろうが下位貴族だろうが、自らの趣味と特徴を認めてくれる人が良かったのだ。……あと、深くかかわってこない人。
「まぁ、そうですね。ですが、一度お話をしてみるのもいいかと思います」
「……そう言うもの?」
「えぇ、興味があれば乗ってくださると思いますよ」
リリーのその言葉を真面目に聞きながら、ドロシーは「じゃあ、一度お話してみるわ」とだけ返した。どうせ、数時間の辛抱だ。数時間を過ぎれば……いつもの日常に戻ることが出来る。
「あと、帰ったら依頼されているポーションも作成しなくちゃいけないわね。材料の在庫も、チェックしておかなくちゃ」
そして、ドロシーはそうつぶやいて「ふわぁ」と大きくあくびをした。昨日も依頼されたポーションを作っていたのだ。徹夜は肌に悪いと母や侍女たちが嘆くが、ドロシーは構わない。何故ならば……ドロシーは、自らの容姿よりも調合が、趣味の方が大切だから。
こうして、ドロシーとリリーは馬車に揺られながらルーシャンの待つ王城に向かっていた。