【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「……ところで、リリーはどうしてついてきた? ドロシー様一人でもよかっただろうに」
リリーがティーセットがしまってあるという場所をダニエルに教えてもらっていると、不意にダニエルはそんなことを口にした。リリーが驚いてダニエルを見つめれば、彼は苦笑を浮かべているようで。その容姿はルーシャンには遠く及ばないが、とても整っているようにも見えた。……彼も、大層モテるだろう。
「いえ、お嬢様直々の希望でして。お嬢様は大層男性が苦手です。なので、一人ではできれば行きたくないと……」
「そっか。あの二人はどうにもかなり拗らせているみたいだしな」
そう言ったダニエルは、リリーにお茶を淹れる指示を出した後、お茶菓子の準備に移った。ダニエルの用意しているお茶菓子を見つめながら、リリーは「この国では見たことのないものだなぁ」と思う。柔らかい綺麗な色合いだが、今まで見たことがないものだ。そのため、リリーは「これは?」と問いかけてしまう。
「これは、ちょっと離れた陽の帝国から仕入れた和菓子というもの……らしい。王妃様がよく召し上がっているものだが……」
「まぁ、王妃様が」
「あぁ、ルーシャン殿下が王妃様が懇意にされている商人から仕入れたものになる」
ダニエルはそう言いながら、その和菓子をお皿に盛りつけていく。こういう仕事は主に料理人の仕事なのだが、なんと言ってもルーシャンは大層な人嫌い。そのため、ダニエルは一通りのことならば何でもこなせるようになってしまった。
リリーがティーセットがしまってあるという場所をダニエルに教えてもらっていると、不意にダニエルはそんなことを口にした。リリーが驚いてダニエルを見つめれば、彼は苦笑を浮かべているようで。その容姿はルーシャンには遠く及ばないが、とても整っているようにも見えた。……彼も、大層モテるだろう。
「いえ、お嬢様直々の希望でして。お嬢様は大層男性が苦手です。なので、一人ではできれば行きたくないと……」
「そっか。あの二人はどうにもかなり拗らせているみたいだしな」
そう言ったダニエルは、リリーにお茶を淹れる指示を出した後、お茶菓子の準備に移った。ダニエルの用意しているお茶菓子を見つめながら、リリーは「この国では見たことのないものだなぁ」と思う。柔らかい綺麗な色合いだが、今まで見たことがないものだ。そのため、リリーは「これは?」と問いかけてしまう。
「これは、ちょっと離れた陽の帝国から仕入れた和菓子というもの……らしい。王妃様がよく召し上がっているものだが……」
「まぁ、王妃様が」
「あぁ、ルーシャン殿下が王妃様が懇意にされている商人から仕入れたものになる」
ダニエルはそう言いながら、その和菓子をお皿に盛りつけていく。こういう仕事は主に料理人の仕事なのだが、なんと言ってもルーシャンは大層な人嫌い。そのため、ダニエルは一通りのことならば何でもこなせるようになってしまった。