【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「ジュリアナ様。お久しぶりでございます」
「いえ、こちらこそ。急に押しかけてきてしまい、申し訳ございません」
それから十分後。ドロシーは屋敷の応接間にて、ジュリアナと対面していた。ジュリアナの実家であるフォード伯爵家は世にいう辺境伯爵家であり、滅多なことでは王都に来ない。今回はたまたま王都に来る用事があったついでに、友人であるドロシーの家を訪ねたということだった。
ジュリアナはふわふわとした赤色の髪と、真っ青のおっとりとして見える目を持つ、愛らしい顔立ちをした美少女だ。年齢は十七歳で、ドロシーよりも一つ年下である。
「ところで、ドロシー様は本日どちらにお出掛けしておりましたの? ご在宅だと思って連絡もなしに訪ねてみれば、外出中だと聞いて驚きましたの」
ハートフィールド侯爵家御用達の商人から仕入れた茶葉で淹れた紅茶を飲みながら、ジュリアナはそんなことを問いかけてくる。ジュリアナはドロシーがあまり出かけないことを知っている。さらに言えば、辺境住まいなのでドロシーがここ三ヶ月毎日王城に通い詰めていたことを知らないのだろう。さすがに、辺境の方には噂がいっていないようだ。
「いえ、ルーシャン殿下にお会い……してきましたの」
だからこそ、ドロシーは苦笑を浮かべながらそう言う。ドロシーがルーシャンの婚約者だったことは、社交界では有名な話である。そのため、ジュリアナは「そう言えば、婚姻されたのですよね」なんて頬に片手を当てながら言う。しかし、すぐに疑問を感じる。ジュリアナは、ドロシーとルーシャンの挙式の話を一切聞いていないのだ。
普通、王族の挙式ともなれば大々的に貴族を招いて行うものだ。それに、ドロシーの性格上唯一の友人であるジュリアナを招かないなど考えられない。
「いえ、こちらこそ。急に押しかけてきてしまい、申し訳ございません」
それから十分後。ドロシーは屋敷の応接間にて、ジュリアナと対面していた。ジュリアナの実家であるフォード伯爵家は世にいう辺境伯爵家であり、滅多なことでは王都に来ない。今回はたまたま王都に来る用事があったついでに、友人であるドロシーの家を訪ねたということだった。
ジュリアナはふわふわとした赤色の髪と、真っ青のおっとりとして見える目を持つ、愛らしい顔立ちをした美少女だ。年齢は十七歳で、ドロシーよりも一つ年下である。
「ところで、ドロシー様は本日どちらにお出掛けしておりましたの? ご在宅だと思って連絡もなしに訪ねてみれば、外出中だと聞いて驚きましたの」
ハートフィールド侯爵家御用達の商人から仕入れた茶葉で淹れた紅茶を飲みながら、ジュリアナはそんなことを問いかけてくる。ジュリアナはドロシーがあまり出かけないことを知っている。さらに言えば、辺境住まいなのでドロシーがここ三ヶ月毎日王城に通い詰めていたことを知らないのだろう。さすがに、辺境の方には噂がいっていないようだ。
「いえ、ルーシャン殿下にお会い……してきましたの」
だからこそ、ドロシーは苦笑を浮かべながらそう言う。ドロシーがルーシャンの婚約者だったことは、社交界では有名な話である。そのため、ジュリアナは「そう言えば、婚姻されたのですよね」なんて頬に片手を当てながら言う。しかし、すぐに疑問を感じる。ジュリアナは、ドロシーとルーシャンの挙式の話を一切聞いていないのだ。
普通、王族の挙式ともなれば大々的に貴族を招いて行うものだ。それに、ドロシーの性格上唯一の友人であるジュリアナを招かないなど考えられない。