【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
(も、元より、この結婚生活は離縁前提のものよ。そんな……距離を縮めるようなこと、されなくていいじゃない……!)
共に過ごせば、それだけで情が移ってしまうだろう。ドロシーはそれが嫌だった。だから、会うのも週に一度くらいで丁度よかった。なのに、ルーシャンのその行動はまるで「ドロシーと距離を縮めようとしている」かのようにも、感じられてしまう。……まぁ、気のせいかもしれないのだが。
「こ、この結婚生活は離縁前提のものでございます。そんな……仲良く社交の場に行くなんて……」
「そう? こっちの方が仲睦まじい夫婦っていう感じで、世間体が良い気がするけれど?」
ドロシーの言葉に、ルーシャンは的確な言葉を返してくる。それに、ドロシーは世間体を比較的気にしてしまうタイプだ。いや、世間体を気にしなければ三ヶ月も毎日王城に通ったりしないだろう。そこを、ルーシャンはつついたのだ。
「いずれ離縁するにしても、今は仲睦まじい夫婦を演じていた方が良いんじゃない? そっちの方が……異性避けになるよ。俺にとっても、ドロシー嬢にとっても」
そう言ったルーシャンは、心の底からとばかりの満面の笑みを浮かべていて。……ドロシーは、ただ「はい」と肯定の返事をすることしか出来なかった。そして、それを聞いたルーシャンは満足げに頷いていた。
共に過ごせば、それだけで情が移ってしまうだろう。ドロシーはそれが嫌だった。だから、会うのも週に一度くらいで丁度よかった。なのに、ルーシャンのその行動はまるで「ドロシーと距離を縮めようとしている」かのようにも、感じられてしまう。……まぁ、気のせいかもしれないのだが。
「こ、この結婚生活は離縁前提のものでございます。そんな……仲良く社交の場に行くなんて……」
「そう? こっちの方が仲睦まじい夫婦っていう感じで、世間体が良い気がするけれど?」
ドロシーの言葉に、ルーシャンは的確な言葉を返してくる。それに、ドロシーは世間体を比較的気にしてしまうタイプだ。いや、世間体を気にしなければ三ヶ月も毎日王城に通ったりしないだろう。そこを、ルーシャンはつついたのだ。
「いずれ離縁するにしても、今は仲睦まじい夫婦を演じていた方が良いんじゃない? そっちの方が……異性避けになるよ。俺にとっても、ドロシー嬢にとっても」
そう言ったルーシャンは、心の底からとばかりの満面の笑みを浮かべていて。……ドロシーは、ただ「はい」と肯定の返事をすることしか出来なかった。そして、それを聞いたルーシャンは満足げに頷いていた。