【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「まぁ、気を取り直してくださいませ。最近お嬢様は健康的になられて、使用人一同喜んでいるのですから」
「……前までの私が、不健康だったとでも言いたいの?」
「はい。夜まで調合に没頭し、挙句朝は起きてこられない。外には出られないので、太陽の光も浴びていない。それのどこが健康的だと言えたのですか?」
「……そうね」
そんなリリーの言葉に納得し、ドロシーは「……まぁ、部屋に戻りましょう」と言って歩き出す。その後、部屋に戻る途中で父である侯爵に「……大丈夫だったか?」などと不安げに問いかけられたので、「大丈夫です」とドロシーは返しておいた。侯爵だって、いろいろと微妙な気持ちなのだろうな。それは、ドロシーにだってよくわかる。ドロシーだって、もしも自分の子供がひねくれ王子の妻になるとなれば、不安になってしまうだろうから。……まぁ、ドロシーに子供はいないのだが。
「ジュリアナ様も人が悪いわ。ルーシャン殿下を招待しているのならば、先に教えてくださればよかったのに」
自分の部屋に戻るなり、ドロシーはそんなことをぼやく。リリーはお茶を淹れに動いているため、今は側にいない。だが、忙しなく手を動かしてお茶とお茶菓子の準備をするリリーに、ドロシーはふと意地悪をしてみたくなった。だが、決して物理的な意地悪はしない。ただ、精神的な意地悪だ。
「そうだわ、リリー。ダニエルとリリーって、お似合いじゃない?」
「……お嬢様!?」
手をパンっと叩いてドロシーがそう言えば、リリーは露骨に慌てだす。しかし、その顔はまんざらでもないと言いたげで、嫌悪感は持っていないことは一目瞭然だった。そのため、ドロシーは「まんざらでもないの?」とたたみかけるように問いかける。そうすれば、リリーは「……まぁ、いい人ですからね」と端的に返してきた。
「……前までの私が、不健康だったとでも言いたいの?」
「はい。夜まで調合に没頭し、挙句朝は起きてこられない。外には出られないので、太陽の光も浴びていない。それのどこが健康的だと言えたのですか?」
「……そうね」
そんなリリーの言葉に納得し、ドロシーは「……まぁ、部屋に戻りましょう」と言って歩き出す。その後、部屋に戻る途中で父である侯爵に「……大丈夫だったか?」などと不安げに問いかけられたので、「大丈夫です」とドロシーは返しておいた。侯爵だって、いろいろと微妙な気持ちなのだろうな。それは、ドロシーにだってよくわかる。ドロシーだって、もしも自分の子供がひねくれ王子の妻になるとなれば、不安になってしまうだろうから。……まぁ、ドロシーに子供はいないのだが。
「ジュリアナ様も人が悪いわ。ルーシャン殿下を招待しているのならば、先に教えてくださればよかったのに」
自分の部屋に戻るなり、ドロシーはそんなことをぼやく。リリーはお茶を淹れに動いているため、今は側にいない。だが、忙しなく手を動かしてお茶とお茶菓子の準備をするリリーに、ドロシーはふと意地悪をしてみたくなった。だが、決して物理的な意地悪はしない。ただ、精神的な意地悪だ。
「そうだわ、リリー。ダニエルとリリーって、お似合いじゃない?」
「……お嬢様!?」
手をパンっと叩いてドロシーがそう言えば、リリーは露骨に慌てだす。しかし、その顔はまんざらでもないと言いたげで、嫌悪感は持っていないことは一目瞭然だった。そのため、ドロシーは「まんざらでもないの?」とたたみかけるように問いかける。そうすれば、リリーは「……まぁ、いい人ですからね」と端的に返してきた。