【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
(ルーシャン殿下、きちんとされたら尚更輝くのね……)
そんなことを思いながら、ドロシーはルーシャンににこやかな笑みを向け、「では、行きましょうか」と声をかける。そうすれば、ルーシャンは侯爵に軽く頭を下げ、ドロシーの隣に並んでくれた。その瞬間、周りの侍従たちが「美男美女だ」とでも言いたげに感嘆のため息を零したのが、しっかりと二人の耳に届く。たとえ中身が問題だらけだったとしても……この二人は、見た目「だけ」は極上なのだ。
「ドロシー嬢、エスコートしようか?」
「あぁ、ルーシャン殿下もエスコートなんて出来たのですね。では、お願いします」
差し出されたルーシャンの手に、ドロシーが自身の手を重ねる。ドロシーの余計な小言は、ルーシャンの耳にもしっかりと届いていた。それでもなお、無視をして聞こえていないふりをしたのだ。
(……まぁ、俺の隣に立っても見劣りしそうにないな)
それよりも、ルーシャンはそう思う方が大切だったのだ。自身の隣に立てば、大体の女性は見劣りする。それに比べ、ドロシーは見劣りしないどころか間違いなく対等に並べている。それが、驚き以上に興味を引くのだ。
(こんなにも綺麗なのに、変人なんてもったいない)
心の中でそうぼやきながら、ルーシャンはドロシーを馬車までエスコートする。その姿を見た執事が、またしても「はぁ」と感嘆のため息を漏らしたのは、二人にしっかりと聞こえていた。
そんなことを思いながら、ドロシーはルーシャンににこやかな笑みを向け、「では、行きましょうか」と声をかける。そうすれば、ルーシャンは侯爵に軽く頭を下げ、ドロシーの隣に並んでくれた。その瞬間、周りの侍従たちが「美男美女だ」とでも言いたげに感嘆のため息を零したのが、しっかりと二人の耳に届く。たとえ中身が問題だらけだったとしても……この二人は、見た目「だけ」は極上なのだ。
「ドロシー嬢、エスコートしようか?」
「あぁ、ルーシャン殿下もエスコートなんて出来たのですね。では、お願いします」
差し出されたルーシャンの手に、ドロシーが自身の手を重ねる。ドロシーの余計な小言は、ルーシャンの耳にもしっかりと届いていた。それでもなお、無視をして聞こえていないふりをしたのだ。
(……まぁ、俺の隣に立っても見劣りしそうにないな)
それよりも、ルーシャンはそう思う方が大切だったのだ。自身の隣に立てば、大体の女性は見劣りする。それに比べ、ドロシーは見劣りしないどころか間違いなく対等に並べている。それが、驚き以上に興味を引くのだ。
(こんなにも綺麗なのに、変人なんてもったいない)
心の中でそうぼやきながら、ルーシャンはドロシーを馬車までエスコートする。その姿を見た執事が、またしても「はぁ」と感嘆のため息を漏らしたのは、二人にしっかりと聞こえていた。