【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
20.「さぁ、さぁ、行きましょう!」
フォード伯爵家の別邸は、とても煌びやかだ。王国内でもかなりの権力を持つ辺境伯爵家というものもあり、当主の誕生日パーティーは毎年豪華に行うのが常だった。
王国内一の楽団が音楽を奏で、フォード伯爵家の料理人たちが存分に腕を振るう。装飾一つとってもとても豪奢であり、その煌びやかさは辺境伯爵家の権力を存分に見せつけていた。
そんなパーティーホールに向かう際中。ドロシーはふと自分をエスコートするルーシャンの横顔を見つめる。ルーシャンはいつも通りの表情であり、緊張などしていないように見える。その余裕が、なんだか無性に腹立たしい。そう思いながら、ドロシーはフォード伯爵家の使用人に案内されながら別邸を歩いていた。
「どうぞ、ルーシャン殿下。ドロシー様」
使用人は、そう声をかけパーティーホールにつながる扉を開けてくれる。その瞬間――周りの視線がドロシーとルーシャンに注がれる。どうやら、一応ルーシャンが来たという案内はあったようだ。……まぁ、ルーシャンは王子なので当然なのだが。
「おい! 誰だ、あの美男と美女!」
「いや、あのお方こそがルーシャン・ネイピア殿下だ。隣は確か……ハートフィールド侯爵家のドロシー嬢のはず」
「……悔しいですが、あのお二人はお似合いですわね……!」
「そうね。あんまりな人だったら奪えるかと思いましたが……!」
そんな声があちらこちらから聞こえる中、ドロシーとルーシャンはお構いなしとばかりにパーティーホールの中を進んでいく。その後、本日の主役であるフォード伯爵の元に向かえば、そこでは当主の側に控えていたジュリアナがドロシーを笑顔で迎えてくれた。
王国内一の楽団が音楽を奏で、フォード伯爵家の料理人たちが存分に腕を振るう。装飾一つとってもとても豪奢であり、その煌びやかさは辺境伯爵家の権力を存分に見せつけていた。
そんなパーティーホールに向かう際中。ドロシーはふと自分をエスコートするルーシャンの横顔を見つめる。ルーシャンはいつも通りの表情であり、緊張などしていないように見える。その余裕が、なんだか無性に腹立たしい。そう思いながら、ドロシーはフォード伯爵家の使用人に案内されながら別邸を歩いていた。
「どうぞ、ルーシャン殿下。ドロシー様」
使用人は、そう声をかけパーティーホールにつながる扉を開けてくれる。その瞬間――周りの視線がドロシーとルーシャンに注がれる。どうやら、一応ルーシャンが来たという案内はあったようだ。……まぁ、ルーシャンは王子なので当然なのだが。
「おい! 誰だ、あの美男と美女!」
「いや、あのお方こそがルーシャン・ネイピア殿下だ。隣は確か……ハートフィールド侯爵家のドロシー嬢のはず」
「……悔しいですが、あのお二人はお似合いですわね……!」
「そうね。あんまりな人だったら奪えるかと思いましたが……!」
そんな声があちらこちらから聞こえる中、ドロシーとルーシャンはお構いなしとばかりにパーティーホールの中を進んでいく。その後、本日の主役であるフォード伯爵の元に向かえば、そこでは当主の側に控えていたジュリアナがドロシーを笑顔で迎えてくれた。