【完結】殿下、離縁前提の結婚生活、いかがですか?~拗らせ男女の(離縁前提)夫婦生活~ 第一部【コミカライズ原作】
「いえ、そんな……。ジュリアナ様には私の方が迷惑をかけっぱなしで……」
「いえいえ、ジュリアナはドロシー嬢のお話をする際、とても生き生きとしているのです。ですから、私はどれだけドロシー嬢にお礼が言いたかったか……」
本当に、ありがとうございます。そう告げて、ドロシーに笑みを向けるフォード伯爵は、何処かジュリアナに似ていた。
(ジュリアナ様にそっくりね。さすがは、親子というべきかしら)
心の中でそう零し、ドロシーは張り付けたものではなく、心の底からの笑みを浮かべ「こちらこそ」と言っていた。ジュリアナはドロシーにとって、唯一無二の大切な友人なのだ。
「些細なパーティーですが、楽しんでいただければ幸いです」
そして、最後の締めくくりとばかりにフォード伯爵はそう言って、深々と頭を下げていた。それを見て、ドロシーは「楽しませていただきますね」と笑みを浮かべたまま言う。隣ではルーシャンがドロシーの笑みを見て「珍しい」なんてぼやいていたので、ドロシーは思い切りルーシャンの足をヒールで踏みつけた。ルーシャンに対してのみ無礼という言葉は、辞書から消えるのだ。
「ドロシー様。少し、私とお話ししましょう!」
「……ジュリアナ様」
フォード伯爵の元をドロシーとルーシャンが去った後。ジュリアナはドロシーにタックルとばかりに詰め寄ってくる。そのため、ドロシーはそれを軽く躱し「分かりましたので、少々お待ちくださいませ」とジュリアナに端的に告げた。もちろん、タックル紛いの詰め寄りを注意することも忘れない。
「ルーシャン殿下。私、ジュリアナ様と少々お話したいのですが……」
ジュリアナを引きはがしながら、ドロシーはルーシャンにそう声をかける。そうすれば、ルーシャンは「いいよ」とだけ残し、ドロシーの元を去っていく。……どうやら、ルーシャンはルーシャンで別行動をするようだ。
「さぁ、さぁ、行きましょう!」
ルーシャンがその場を去れば、ジュリアナはすぐにドロシーに笑みを向けニコニコとし始める。……やはり、ジュリアナは自分の欲望に素直だ。そう思いながら、ドロシーはジュリアナに腕を引かれていた。
「いえいえ、ジュリアナはドロシー嬢のお話をする際、とても生き生きとしているのです。ですから、私はどれだけドロシー嬢にお礼が言いたかったか……」
本当に、ありがとうございます。そう告げて、ドロシーに笑みを向けるフォード伯爵は、何処かジュリアナに似ていた。
(ジュリアナ様にそっくりね。さすがは、親子というべきかしら)
心の中でそう零し、ドロシーは張り付けたものではなく、心の底からの笑みを浮かべ「こちらこそ」と言っていた。ジュリアナはドロシーにとって、唯一無二の大切な友人なのだ。
「些細なパーティーですが、楽しんでいただければ幸いです」
そして、最後の締めくくりとばかりにフォード伯爵はそう言って、深々と頭を下げていた。それを見て、ドロシーは「楽しませていただきますね」と笑みを浮かべたまま言う。隣ではルーシャンがドロシーの笑みを見て「珍しい」なんてぼやいていたので、ドロシーは思い切りルーシャンの足をヒールで踏みつけた。ルーシャンに対してのみ無礼という言葉は、辞書から消えるのだ。
「ドロシー様。少し、私とお話ししましょう!」
「……ジュリアナ様」
フォード伯爵の元をドロシーとルーシャンが去った後。ジュリアナはドロシーにタックルとばかりに詰め寄ってくる。そのため、ドロシーはそれを軽く躱し「分かりましたので、少々お待ちくださいませ」とジュリアナに端的に告げた。もちろん、タックル紛いの詰め寄りを注意することも忘れない。
「ルーシャン殿下。私、ジュリアナ様と少々お話したいのですが……」
ジュリアナを引きはがしながら、ドロシーはルーシャンにそう声をかける。そうすれば、ルーシャンは「いいよ」とだけ残し、ドロシーの元を去っていく。……どうやら、ルーシャンはルーシャンで別行動をするようだ。
「さぁ、さぁ、行きましょう!」
ルーシャンがその場を去れば、ジュリアナはすぐにドロシーに笑みを向けニコニコとし始める。……やはり、ジュリアナは自分の欲望に素直だ。そう思いながら、ドロシーはジュリアナに腕を引かれていた。